絶対無農薬宣言

土もない石ころだらけだった場所が、土もふかふかの美しい庭に変わっていくのはとても嬉しいことです。だけど、問題はそこに植えた植物たち。石やレンガと違って、なかなかイメージ通りには育ってくれません。失敗や成功を繰り返すうち、デザインにこだわるよりはいっそ自由にのびのび育つ様を楽しめば良いんだ！・・・と、そぅ思うようになりました。あまり手を加えなくなった庭では、ときに自然が織りなす見事な調和に魅了されてしまうことがあります。
こうして野原のようになってきた針槐庭には食いしん坊さんが集まるようになりました。ハーブ好きの仲間やご近所、珍しい野菜を見に来る子供たちはみんな摘んだハーブをそのまま口に入れます。もちろん、わが家族も食いしん坊揃いです。
そして、野菜をつついたり水浴びを楽しみにやってくるヒヨドリたち、庭で育っているヒナにせっせと餌を運ぶスズメたち、生まれたばかりのちいさなカマキリやバッタたち・・・ある春先、さまざまな庭の住人たちを眺めながら、ふと「私の庭は絶対に無農薬でいくぞ！」と心の中で宣言しました。
誰にでも、なんにでもやさしい庭・・・それが私のめざす庭造りです。まずは虫や病気に負けないように元気に育てることから始めて、不必要なものを駆除するのではなく上手に共存していく方法を考えていきたいと思っています。