芝生を緑の絨毯に

針槐の芝生の庭
……芝生の手入れと育て方……

「隣の芝生はきれいに見える」・・・いいえ、わが家の芝生が一番きれい!!! 庭守RITZはいつもこう宣っております。長年の努力の成果で、わが家の芝生は訪ねてきた人が必ず感嘆符と質問を連発するような状態になりました。でも、これってほんのちょっとの手間をかけてやれば、誰にでもできることなのです。それに、芝生がきれいだと、少々の庭の手入れ不足も目立ちません。手をかければかけるほど手がいらなくなる芝生の手入れ、貴方もチャレンジしてみませんか?

♪手をかけるほど楽になる♪

…… 美しい芝生への循環 ……
1. 刈込み・施肥をする 2. 生育が旺盛になりよく育つ 3. 刈込み回数を増やす
 
6. 雑草が生えにくくなる 5. 芝の目が詰まってきて 4. 分枝が増え密度の高い芝になる

1→2
上に上に伸びようとするのが植物の習性です。芝を刈ることで葉の成長点を切るわけですから、植物は新しい芽を出そうとします。芝刈りは葉っぱの成長より根の生育を促します。
3→4
陽当たりが悪い部分の葉は茶色になります。頻繁に刈り込むことによって根元にまで陽が当るようになり、新しい芽もどんどん出てきますから、根元から緑の芝生になります(美しい!)。芝生の手入れの基本は刈り込みです。少々肥料をやり忘れても、ここまでのステップで十分美しい芝生が出来上がります。
5→6→1
芝を刈ることで葉の成長点を切り、根の生育を促し、新芽がどんどん生えてきて芝が密生するようになります。こうなると飛んできた雑草の種などは芝生の奥深くには入れなくなり、発芽できなくなります。元気な芝生には雑草が生えにくくなるというわけで、ここまでくると芝生の手入れはグンと楽になります。
この循環を繰り返すことで頑張れば1シーズンでも美しい芝生が見られます。


芝刈りのコツ

「芝生の手入れは面倒だ」という人が多いですが、手入れの行き届いた緑の絨毯を実現させれば「手間ひまなどなんぼのものか!」という歓びに達します。では、「芝生の手入れはやっぱり大変?」と問われれば、「最初だけね」と答えます。「芝生は放っておいても育つ」と言う人もいますが、と〜んでもない!!! これはウソ。芝生って、案外デリケートな一面も持っています。いや。デリケートな振りをしたつわものってところでしょうか???

芝刈りの間隔
3〜4月頃、いろんな植物たちが芽生え始め、芝生が元気に伸びてはじめたら軽く刈ります。4月以降は月一度、7〜8月は月に二三度、9〜10月は見苦しければ刈ります。芝刈りのタイミングは日照や気温によって違うので、頑張って自分の芝のペースを見つけてください。ちなみに、針槐庭では5月には20日置き、6月は14日置き、7〜8月は10日置きでも間に合わないといったところです。伸びたな……と思ったらすかさず刈りましょう!

よく乾いている時に刈る
雨のあと、芝生の根元がまだ濡れているような状態で芝刈り機を使うのは危険ですし、濡れた状態で刈ると仕上がりが汚くなります。しっかり乾いた状態で芝刈りをしましょう。梅雨の時期には芝生が乾かず、つい刈りそこねているうちにどっと伸びてしまったということがままあります。雨が続く時期にはちょっとのタイミングを逃さないようにしましょうね。

できるだけこまめに刈りましょう
とにかく刈る・・・これが一番の手入れです。こまめに刈れば刈るほど、芝生はきれいになります。芝が元気になるほど、伸びても目立たなくなってきますので、ちょっと早いかなと思うくらい、こんなに刈ってもいいのかしらと思うくらい、じゃんじゃん刈ってあげましょう。短く密生させることが元気で美しい芝生を作るコツです。端っこの芝刈り機では刈り取れない部分用には、芝用バリカンが市販されていて、これはとても便利です。

伸び過ぎた芝生を刈る時
まずは芝刈り機を一番長めに切るようにセットして、全体を縦方向に刈ります。次に、長さを1ランク下げて、今度は全体を横方向に刈り込んで仕上げます。縦、横、斜めと全体をいろんな角度で切ってあげるとより綺麗に仕上がります。針槐庭の芝生は短く密生しているので芝刈り機を12mmにセットして刈り揃え、8mmで仕上げをしています。
手入をサボっていて伸び放題になっている芝生は陽が当っている表面部分だけが緑色なので、急激に刈り込むと一面真っ茶色になってしまいます。芝生も消耗します。まずは全体に緑が残るくらいに長めにざっと刈るのが無難です。しばらく待つと新芽が伸びてきますので、それから一週間置きくらいに徐々に短く刈り込んでいきます。部分的に茶色くなった部分には肥料を多めに与えるか、弱っているようなら部分的に目土を入れてあげます。

手順とその他の作業

手間1:刈ったら肥料をあげる
芝生は肥料が大好きです。刈ったら必ず肥料をあげる・・・これもきれいな芝生を育てるコツです。もちろん芝生はこの手間にしっかり応えてくれます。
3月には勢いが良いようなら半量くらい、4〜8月までは規定量を与えますが、少量を回数多く与えた方が効果は高いようです。最近は芝生用の有機質肥料が発売されていて、それなら頻繁に与えてもやり過ぎということはありません。
もう化成肥料を買っているようだったら月2〜3度までが限度のようです。手で蒔くとどうしてもばらつきがあって緑の薄い部分が出て来たりしますので、そういうところは次の施肥の際に少し多めの気分で蒔いてやります。
但し、雨でぬれている時には傷むのであげません。また、梅雨の長雨が続く時期はとても弱るので肥料は与えないほうが良いようです。梅雨がそろそろ明けそうだと思えるころからあげ始めます。
8〜9月頃には花が咲いて黒っぽい穂に覆われることがあります。特に美しいというものでもないのですが、一面に咲かせたければ8月に肥料を控えましょう。

手間2:(できれば)ローンスパイクで根を切る
ローンスパイクで芝の根を切って通気を図り、蒸れをなくすのが目的ですが、広ければちょっと面倒な作業ですが、4〜8月にかけて隔月くらいにはやってあげると良いですね。針槐庭ではいつも遊びに来る子供たちが遊び半分でやってくれます。また、目土をいれる前にはより効果的ですから、頑張りましょう!

手間3:(できれば)目土をいれる
以前に針槐の芝生で、半分だけ目土を入れてそのままサボっていたら、なんとまぁ、一週間には線を引いたように緑の色が違ってきて、慌てて残り半分にも目土を入れたことがあります。目土の威力は絶大です!
「芝の目土」は園芸店で売ってます。雨風に洗われて剥き出しになった根の保護のために入れますが、年に2〜3度くらいで上出来です。目土を入れる前には芝生を短かめに刈り揃えておき、大きめの枯葉などは取り除いておきます。ザルなど使って目土を芝の表面に薄く均一にまきます。とくに梅雨の長雨の頃には芝生が痛むので、梅雨の前後と4月の目土は効果的です。
芝生に極端な凹凸がある時は目土で補修します。凹んだ部分だけに目土を入れるのですが、一度に治そうとせず、一番低い部分の葉先に日が当るくらいに土をいれます。これを月一度くらいで繰り返しながら気長に修正していきます。葉を全部埋めてしまうと枯れてしまいますのでご用心!芝生の根元がすかすかして成長が悪くなった時にも、この要領で芝生全体にたっぷり目土を入れてあげましょう。少々痛んだ芝生でも見事に蘇ります。

手間4:除草する
目に付いた雑草はその都度取るように心がけておきましょう。とくに春先の草むしりは大事です。こまめな手作業で頑張りましょう。除草剤を使うと楽ですが、美しい芝生の上で寝っ転がったりすることを考えれば、やはりここでも無農薬に徹したいものですね。我が家では最近は芝刈りの前日にちょちょっと草取りをすればよいくらいに芝目が詰まってきて、除草の手間はほとんどなくなりました。芝が密生してくると、飛んできた種が入りにくくなり雑草も生えなくなるのです。ただし、しつこいクローバー類やスギナが入り込んだ場合にだけは部分的に除草剤を使います。球根で増えるものや地下茎でどんどん広がっていくものには要注意です。
植物はなんでもそうですが、芝もやはり強くて弱いところがあります。4、5日の間植木鉢を上に置いていただけでも枯れ込んできますよね。芝生の上には極力ものを置かず、全体によく日が当るようにしてあげましょう!

秋が深まり芝生が休眠期に入ったらたまに草むしりをする程度、翌年の3月頃までは作業は全てお休みです。お疲れさまでした。
芝生はとっても正直者。ちょっと手を入れると、一週間もたたないうちに、喜こびの表情を見せてくれます。美しく育った緑の絨毯は新たなくつろぎの空間になります。貴方はそこでなにをしますか?庭守は近所の子供たちと転げ回ったり、ランチや星空天井の酒宴を楽しみます。


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