挿し木はコツさえわかれば極めて簡単な繁殖法です。すぐに発根するもの、時間のかかるもの、挿し木には向かないものといろいろですが、針槐の庭では何ごとも挑戦!と、いろんなものにチャレンジしています。ものによっては発根しても生育が悪い、小振りに育つ、浅根になって寿命が短いなどの欠点もありますが、やはり自分で挿し木をして育てた植物には愛着が湧きます。
■挿し木の時期
センテッド・ゼラニウムのように真夏の挿し木を好むものもありますが、ほとんどは気温が20度前後を保てる時期にいつでもできます。
■挿し木の準備
まず、勢いが良く虫の付いてない枝を選び、枝が硬い木本類は8〜10cmで切り口を潰さないように、柔らかい草本類や新芽の部分なら消毒したカッターなどで5〜6cmを切り取ります。木本類は枝先だけでなく、枝の途中でも使えます。
切り取った差し枝の下三分の一の葉を取り除き、コップの水の中などに、茎の硬いものは30分くらい、柔らかいものは10分くらい挿して水揚げします。水の中にメネデール活力剤を入れておくと効果的です。
ただし、中にはセンテッド・ゼラニウムのように水に挿さない方がよく発根するものもありますので、念のために調べておきましょう。
■挿し木用の用土
浅い鉢や箱の中にごろ土を敷き、水はけが良く肥料分のない清潔な用土を入れます。針槐の庭では赤玉土小粒やバーミキュライトを単独で使っています。容器ごと水に浸けて、土にもたっぷりと水を吸わせておきます。
■いよいよ挿し木
挿し穂がたっぷりと水を吸ったらいよいよ挿し木です。木本類は4〜5cm、草本類は2〜3cmを目安に割り箸などで土に穴を開け、挿し穂を入れて土を外側から差し穂に向けて軽く押し、土と差し穂を密着させます。全部挿し終わったら、再度そっと水をやります。
■挿し木後の管理
強い風の当らない反日陰に置き、しばらくは乾かさないように水やりを続けます。後は徐々に乾燥気味に育てることで発根を促します。いつまでも水がたっぷりの状態では根が伸びません。針槐の庭では活力剤とカビ除けを兼ねて、100倍に薄めた穀物醸造酢を差し穂全体(葉裏まで)と土にかけています。暑い時期なら風通しの良い日陰、寒い時期なら屋内に置くなどして地温を20度前後に保ちます。
早いもので1〜2週間で根が出始めます。差し穂を軽くつまんで引っ張ってみて、抵抗があるようなら発根しているはずです。掘り上げて鉢やポットに植えます。十分育ったら、庭にも定植できます。育ちはじめるまでは肥料は控えます。もし、掘り上げてみて根が出ていなくても、そっと戻しておけば大丈夫、じっくり待ちましょう
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株分けに挑戦しよう!
株分けは挿し木にくらべると簡単な増やし方です。それに、数年置きに株分けをしてやることで植物たちの環境を改善することにも繋がります。
多年草の植物たちは成長するに連れて株が大きくなりすぎて、風通しが悪くなって蒸れたり、日当たりの悪い部分が枯れ込んだり、根が混み合って弱ったりします。こんな時、株を掘り上げて分けてやることによって、植物たちは再び伸び伸びと育ち始めます。
■できる株とできない株
株分けできるものは宿根性のもの(ミントやレモンバーム等)、球根や球茎を持っているもの(チャイブやネギ等)、株立ちに育つもの、ひこばえが出るもの。立性ローズマリーのように一本立ちになるものはできません。また、移植を嫌う植物もあるので、用心しましょう。
■株分けの時期
春〜夏に花が咲くものは)9〜10月頃、夏〜秋に咲くものは3〜4月頃が目安です。10度から25度くらいの気温の頃で、極端に暑い時期、寒い時期には避けます。
■株分けの仕方
株全体をそっと掘り上げ、手で分けられるものは手で分け、根茎が硬いものは消毒したハサミやナイフで切り分けます。この時、枝や葉、根や茎や芽が均等に別れるように分けます。古くなって痛んだ根っこや真っ黒に変色した根も切り落とします。
■株分け用の用土
移植用土と同様に造ります。分けた株の根を極端に切り詰めていたり、切り口が大きい場合などは肥料を避けます。
※移植用土については左メニュー種から育てよう!を参考に
■株分け後の管理
株分けした株は一旦鉢で育てる方が安全です。 直射日光や強い風雨を避けた場所で過湿になり過ぎないように育てます。
地植えの場合には育つ間にゆっくり土造りができますね。ただし、地植えのものを地植えに戻す場合には、できるだけ別の場所に植えるようにしましょう。例えば、チャイブが植えてあった場所の土には、チャイブに必要な栄養分だけがすっかり吸われてしまって極端に減っているからです。
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もっと簡単な方法は?
■根伏せ
スウィートバイオレットやホースラディッシュなどは、花ない時期に掘り上げた根を2〜3cmに切り分けて植えておくと発根します。ミントなど、茎が一端土の中を這うものは茎を植えます。
■枝伏せ
ローズマリーやタイムなど這性のものは茎からも根を出す性質を持っています。植えてあるローズマリーの枝を引っ張ってUピンなどで土に止めたり土をかけておけば面白いように根が出てきます。根がたっぷり出た所で本体と切り離して別の場所に植えます。時期は挿し木と同じ頃です。
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