オリーブを育てる  

苗を選ぶ:実生・挿し木・接ぎ木

■実生苗(みしょうなえ):
自然界で「落ちた種が芽を出し、成長し、実を結ぶ」ことを実生と呼びます。今は種を撒いて育てる方法も実生と言います。でも、オリーブで収穫を目指す場合にはあまり推奨されていません。

何故なら、オリーブは発芽率が低い方ですし、種から育てると収穫できるほど育つまでに15年以上かかります。それでも育ちきるまで実成りが確認できない・・・つまり、実が成らない・実付きが悪いというケースも多々あるわけです。

「それでも……種から育ててみたい!」というガーデナーさんは、以下を参考に頑張ってみてください。観察日記など送ってくださると嬉しいです。

■種の撒き方:
オリーブは発芽率が低いと言われますが、成木の根元に芽吹いた小さなオリーブの写真もよく見かけますから、やってやれないことはない!ただし、発芽までには1〜4ヶ月もかかるそうです。気長に頑張りましょう!

3月中旬〜4月頃、よく熟した実から種を取り、日当たりの良い場所に蒔きます。編集長のアンチョコによると、種の尖った部分を2mmくらいカットする、またはちょっとキズを入れるだけでも発芽率がアップするそうです。

庭に直まきする場合は、1〜2週間前から少量の石灰を、腐葉土や堆肥も施しておきます。鉢に蒔く場合は、水はけ・水保ちの良い用土(赤玉小粒、パーミキュライトなど)に撒きましょう。

種を寝かせ、種の三倍くらいの深さに埋めるのが目安です。後はひたすら水撒きです。オリーブの種は梅干の種みたいに硬く、乾燥すると発芽しないので、鉢植えの場合はとくに乾かさないよう管理しましょう。

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■挿し木(さしき):
植物の新芽、葉、茎、根などを切り、切り口から根や芽を生やす繁殖方法です。一般に種子の出来ない植物や、出来ても発芽の悪いものを比較的時間をかけず増やせます。

オリーブの場合は「太木挿し」が良いそうです。直径5cmくらいの枝が活着率が高く、実付きも早いそうです。剪定などで太めの枝があったら、試してみましょう。

「新芽挿し」は、今年伸びた勢いの良い枝先を15cm程切り取って、水はけ・水保ちの良い用土(赤玉小粒、パーミキュライトなど)に挿し、水を与えながら発根を待ちます。細っこいので、かなり手間と根気を要します。

母樹の形質を受け継ぎますが、浅根・小型・短命というように、総体的に母木よりもコンパクトに育ちます。また、日本の園芸用苗作りの現場では、発根促進剤など薬品が使われることもあるので、収穫を目指す方にはちょっと不安ですね。

■接ぎ木:
植物の枝や芽を切って別の植物に接ぐ繁殖方法で、接ぐ枝や芽を「接ぎ穂」、根になる部分を「台木」と呼びます。繁殖力が弱い品種や希少な品種を、丈夫な台木の力を借りて育てる栄養繁殖の方法のひとつです。

実成り良好な樹から採った接ぎ穂を、より頑丈で成長の早い台木に接ぎますが、母樹の品種特性がそのまま維持されるという利点に加え、生育・開花・結実が促進される繁殖法です。病害虫に強く、生育も旺盛で育てやすくなるので、オリーブの苗木としては最もお薦めです。

ただし、とても手間がかかる手法です。台木の選定は将来の成長に大きく影響を及ぼしますし、専門知識や経験が欠かせません。ここはプロに任せて、元気に育った接ぎ木苗をみつけましょう。

・ オリーブのボタニカルなウンチク
・ たっぷりの実を収穫するためには
・ 美しい葉や樹形を楽しむためには
・ 苗を選ぶ:実生・挿し木・接ぎ木
・ 苗を植える:移植・定植(地植)
・ 苗を植える:植替え・定植(鉢植)

つづきは準備中です。お楽しみに。