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苗を植える:植替え・定植(鉢植)

1. 苗を植える前に

■ポット苗の管理:
・苗の到着後はたっぷりと水を与えるのが基本ですが、寒い時期の夕方頃に苗が到着した場合は少なめに与え、翌日暖かくなってからたっぷりあげましょう。水やりは、 寒い時期は午前中の暖かくなった時間帯から、暑い時期は陽が落ちてからにしましょう。

・温室で育てられた苗の場合は、しばらく直射日光に慣らしてから地植えしましょう。ポットのまま管理する場合は、コンクリートの上に直置きしたりせず、根鉢を冷やさない/直接熱に当てない工夫をしましょう。地元で手に入れた苗木ならとくに問題はありませんが、遠方から取り寄せた苗木の場合、育てていく環境に慣らすのも大事なことです。

・植付け前には、たっぷり水をやっておき、植付け場所の近くに置いて土壌との温度差がなくなるようにしておきます。

■定植:
・根鉢を崩さずに植え付ける場合は、極端に寒い/暑い時期を外せば、いつでも大丈夫です。根鉢をほぐして古い根を落としたり、根鉢が崩れてしまった場合は、1〜2週間は直射日光を避けて日陰管理をし、徐々に陽に当てる時間を増やしていきます。

・オリーブは生育が早いので、小苗の場合はコンテナは根鉢の3〜5倍、2年以上育った苗の場合は一回り大きめのサイズのコンテナを選びましょう。

■植替え:
・根詰まりや根腐れ防止のため、3年に一度は植替えてあげましょう。植替えの適期も新芽が展開する前の3月頃から4月頃です。植替え時に根がたくさん切れてしまった場合は、枝葉も軽く剪定しましょう。植物は地下部の根と地上部の枝葉で吸収/蒸散のバランスを取っていますので、根だけ少なくなると弱る原因に繋がります。

・大きく育てたい場合は一回り大きめのサイズのコンテナを、あまり大きくしたくない場合は同じサイズのコンテナを選びましょう。

■コンテナ:
・素焼き鉢:オリーブ栽培には、通気性の良いテラコッタなどの素焼き鉢が最適です。大きく育てたい場合には、ある程度の厚みと重さのある鉢を選びましょう。 ただし、素焼き鉢は通気性が良い分、中の土の乾燥も早いので、小さな鉢のうちはこまめな水やり管理が大事です。

・プラ鉢:通気性があまり良くありませんが、水はけの良い資材を用いる、鉢底を上げて通気を良くするなど工夫することで栽培は可能になります。素焼き鉢に蔵別と水保ちが良いので、あまり手がかかりません。素材としては軽いので、大きく育ってきたら転倒防止などの工夫も必要となります。


2. まずは土づくり

コンテナ栽培で重要なポイントは、水はけ・水保ちの良い用土を使うこと、栄養分が豊富な土を作ることです。編集長のお薦めは以下の組合せです。
  赤玉土(大粒) :4
  パーミキュライト*  :2
  腐葉土 :2
  牛糞 :2
  石灰* :少量

全ての用土を混ぜ合わせます。

卵の殻を粉状になるまで砕いて混ぜ込んでおくと、土中の害虫除けになり、石灰分の補給にもなります。細かな粉でも幼虫さん達には痛いようで、逃げ出します。

石灰は、用土の表面に薄く霜が降った程度にまきます。量が多すぎると土が固くなります。新しい用土で土づくりするので、石灰は活着してから土の表面に薄く撒いても大丈夫です。味付け海苔等の乾燥剤の消石灰で充分OKです。

苦土石灰を混ぜ込んだ場合は、土を寝かせる必要があります。この状態で10日ほど寝かせてから次の行程へ進みます。すぐに植えたい場合は、苦土石灰の代用品として牡蠣殻などの有機石灰等を利用しましょう。

最近は「○○の土」といった専用用土も販売されいており、「オリーブの土」というのもあるそうですね。肥料等も入っているので便利だと思います。ただ、土の目が細かく、時間の経過によって水はけが悪くなることもありますので、パーミキュライト等の水はけを良くする素材を混ぜ込むと良いと思います。

* パーミキュライトはアルカリ分が強くオリーブには適材ですが、高価です。パーライト、手に入るなら安価な日向土でも代用できます。


3. 植え付ける

鉢の底に鉢底石を敷き詰めます。

コンテナの半分程度まで土を入れ、ざっと肥料を混ぜ込みます。肥料が直接根に触れないように、さらに土を入れます。

苗をポットから取り出し、根鉢の表面を軽くほぐして盛土の上に置きます。苗によっては斜め方向に伸びているものもありますが、ポットに植えられた状態のまま水平に植え付けます(枝は支柱等で上方向に伸びるよう矯正します)。

苗の周りに土を入れ、深植えしないよう注意しながら、隙間ができないように植付けます。オリヴェッタ倶楽部の接ぎ木苗の場合は、接ぎ部分がギリギリ見える深さで植え付けます。表面を平らにならして軽く抑え、土の表面が鉢の縁から5cm程度になるのがベストです。


4. 支柱で支える

オリーブは浅根性のため、風で倒れやすいという弱点があります、なので、根のまわりに土を入れたら、苗がぐらつかないように支柱を立て、ビニタイ等で一番太い幹を支えます。

支柱を立てて苗をしっかり固定したら、少量づつ水やりをします。鉢の底からたっぷり水が流れ出すまで、たっぷり水をあげましょう。

新しい土はなかなか水を吸わないものなので、何度か水やりを繰り返しておきます。植付け時に「こんなに?」と思うほど水やりをすることで、その後の管理は楽になります。

植付け完了です。お疲れさまでした!

日当り・風通しが良い場所に置きましょう。オリヴェッタ倶楽部の接ぎ木苗の場合は、くの字に曲がった接ぎ部分の凸部を南に向けて置きます。もし、根鉢を大きく崩したようでしたら、数日は日陰での養生をお薦めします。


ヒント2:活着するまでのメンテナンス

水やり:一週間も雨が降らないなど乾燥が続く時は、たっぷりの水やりを心がけましょう。表面から10cm辺りの土がカラカラに乾いていたら水やりが必要です。2年程は油断しないようにしましょう。

剪定:活着するまでは剪定をする必要はありませんが、接木の台木(接ぎ目の下)や土の中から枝が伸びてきた場合、これは台木のオリーブの枝ですので、みつけたら切り落としましょう。

殺菌:幹を切り詰めたり、強剪定をした場合、できれば切り口に接ぎ蝋(つぎろう)を塗っておきましょう。乾燥、湿害、病害の防止になります。接ぎ蝋は園芸資材店で購入できます。
※殺菌だけなら草木灰で足りますが、切り口が大きい場合は接ぎ蝋が効果的です。

肥料:春と秋に有機堆肥と油かすを与え、年に一度、茂った葉先の下まで石灰を薄く撒布します。

酢農薬:葉がしおれたり、葉っぱがどんどん落ちるような場合には、日陰に避難させ、鉢や土が冷えてから水をあげましょう。それでもクタッとしているようであれば、酢農薬*が効果的です。酢農薬は、地植え直後の活力剤にも最適です。

* 酢農薬の詳細は編集長の個人サイトで紹介していますので、ご参考に。
http://asterisk-web.com/ritz/garden/
絶対無能約宣言 > 肥料兼自然農薬 > なんだかスゴイ!酢の力

・ オリーブのボタニカルなウンチク
・ たっぷりの実を収穫するためには
・ 美しい葉や樹形を楽しむためには
・ 苗を選ぶ:実生・挿し木・接ぎ木
・ 苗を植える:移植・定植(地植)
・ 苗を植える:植替え・定植(鉢植)

つづきは準備中です。お楽しみに。