レスキュー&育て方

エサの使い方と注意点

栄養のバランス失調が原因と思われる相談が相次いでいます。昆虫などの動物食のエサの不足による衰弱、カルシウムやビタミン不足による脚弱症や目の異常、中にはうずくまって立てなくなるケースもあります。

ふ化してから半年以上たって大人の鳥の身体になるまでは、内臓(ないぞう)や骨格(こっかく)、空を羽ばたく翼やそれを動かす胸の筋肉がどんどん発達する時期です。「助けてあげたい!」「飛べるようにしてあげたい!」と保護してあげたのですから、栄養不良の弱い雛(ヒナ)に育ててしまってはなんのためにもなりません。

ヒナたちの成長はおどろくほど早く、手がかかるのはほんのみじかい期間です。しっかりエサに関する項目を読んで、バランスく良く栄養管理をしてあげましょう!

とくに注意することエサの使い方と注意点


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とくに注意すること

・自然の中にあるものを食べさせよう!
すり餌や粟玉など鳥を飼うために改良されてきた餌はとても便利で、とくにすり餌は保護した野鳥を育てるには欠かすことのできないエサです。親鳥が運ぶようなエサをそのまま人が調達できるはずもありませんから、栄養も豊富でいろんな栄養素をバランス良く取り込めるすり餌は里親さんにとっても頼もしいエサです。だけど、野生の世界にはこんな便利な食べ物はありません。

それに、人がビタミン剤やカロリーメイトだけでは生きていけないように、野鳥たちにも美味しいエサはよくわかります。保護される野鳥たちは幼い頃から自然のものを食べているわけですから、人がすり餌で育てるということはご飯が好きな子にカップラーメンを押し付けるようなものですね。もちろん、栄養価は十分にあるのですが、やはり野菜や昆虫が自然のままに持つ力には及びません。自然の食物には自然ならではの力があります。

ですから、野生に返してあげられる可能性がある野鳥たちには、できるだけちいさいうちからできるだけたくさんの自然にある食べ物を食べさせてあげることが大事です。人が与えられるものなんて限られていますけど、ヒナたちは与えられるものを食べるしかないのですから、できるだけ自然のものを食べさせるように心がけましょうね。

こうした自然の中でとれる昆虫や幼虫、野菜や木の実や雑草の種などをできるだけたくさん食べさせておけば、一人立ちも早いようです。逆に、自然界にないものを食べさせると「そ嚢*(そのう)」の中で発酵(はっこう)するなどして、ひどい病気になる場合があります。身体のちいさな鳥にとってはちょっとした害が命に関わってきます。

また、自分でつついて食べるようになった雛(ヒナ)には、昆虫や穀物や野菜(雑草)の形や特徴を覚えられるように、自然にあるままの状態でつつかせることも大事です。たとえば昆虫は飛んだり動いたりしている様子をよく見せてからあたえ、野菜は刻まずに葉っぱごとあたえたりしましょう。野菜を植えたプランターごと部屋においておくのも良い手ですし、葉っぱの上をアオムシが這っていたら・・・最高ですね。最近は粟穂(あわほ)を売っているところもあり、ネットでも通信販売しています。いろんな工夫をして、いろんなものを活用して、元気いっぱいの野生児に育ててあげましょう!
*「そのう」については野鳥のエサのあたえ方のコーナーでくわしく説明しています

■ 鳥の健康に良くない食品
冷たいものや水っぽいエサ:かならず人肌よりあたたかい温度であたえます
加工食品全般      :食品にはいろんな添加物(てんかぶつ)が入っています
牛乳          :野鳥には消化できません
パンや炊いたご飯    :そのう炎の原因になることがある
米粒          :炊いてない生米も生後1年を過ぎない頃のヒナには消化できませ
 (すずめたちが田んぼでついばんでいる米は固くなる前の緑色の穂のもので、やわらかくミルク状なのだそうです)


・同種の鳥たちが食べているもの食べさせよう!
ツバメにはツバメの、ヒヨドリにはヒヨドリの食生活があります。鳥の種類によってさまざまな食性があるので、それを理解しておくことも大事です。たとえばツバメは昆虫を中心に食べる鳥ですから、野菜ばかり食べさせていては病気になったり死んでしまったりします。一方、ヒヨドリは野菜や木の実を中心に食べる鳥ですから、昆虫ばかり食べさせていてはビタミン不足で立つこともできなくなったりします。

ですから、あなたが保護した野鳥が野生の中でどんなものを食べているのかを知っておくことが大事です。成長別の野鳥のエサでは大雑把に鳥の食性別に書いていますが、本やネットを利用してもっとくわしく調べてましょう。また、外で同種の鳥がつついているところなど見かけたら、それをとってきてあたえるようにしましょう。


・水分や塩分について

■ 飛びはじめる前
立ってちょこちょこ走り回ったりしはじめる頃までは、野生でもアオムシや親の唾液や虫の水分をとる程度ですので、とくに水をあたえる必要はありません。どうしてもあたえなければならない場合には、クチバシのはしっこに付けて、自分でなめさせるようにします。口を開けさせて水を飲ませたりすれば気管に水が入ったりして、ちいさなヒナの場合は命にも関わってきます。

■ 飛ぶ練習などはじめたら
自分で好きな時に水を飲むようになりますから、その頃にはちいさな水入れを置いてあげましょう。ただし、思いもかけないほどちいさな器の中でおぼれてしまうヒナもいます。ヒナの頭が入らないできるだけちいさな器、浅い器を選びましょう。飛ぶようになって自分で水浴びなどはじめたら、水をこわがって慌てることもなくなりますから、もう大丈夫です。

塩分も大事な要素です。売られている塩土を置いておけば自分でつつきます。クラブの仲間、もんたさんちの“ちゅんちゅか”は塩土をつつかないので、けずって粟玉にまぜていたそうです。それぞれにヒナたちの癖に応じて、いろいろと工夫も必要ですね。


・いろいろな栄養補助食品も活用しましょう!
自然のものを食べさせる・・・もちろんこれが基本ですが、親鳥にくらべれば人が与えられるものなんて限られています。それに鳥の種別に必要な栄養素・・・なんて、なかなか計れるものではありませんし、思わぬところで栄養が欠けてしまっているケースも多いものです。予防として、安全策として、質の良い栄養補助食品やビタミン剤も活用しましょう。ここでは多くの里親さんが実際に使っていて効果が高いというものを紹介しておきます。

■ ネクトンシリーズ詳細:ネクトンシリーズ取扱店鋪一覧(HOME:papie-c.com
長期保護の里親さんたちや多くの飼鳥の健康のために愛用されているネクトン-S(鳥類用総合ビタミン剤)をはじめ、ネクトン-MSA(ミネラル・カルシウム補給)、ネクトン-BIO(ビタミン剤/羽毛発育促進)、ネクトン-Q(抗生物質の副作用の緩和)と他にもいろいろあるようです。高価ですが、人の手で育てる場合に陥りやすいビタミンやミネラル、カルシウムの補強にはとても効果が高く、これらの不足から発症する病気を防ぐそうです。

使用上のアドバイス
説明書きにある使用量は多少あいまいなようなので、幼鳥には中のアルミふたをとらずに楊枝などで小さい穴を開けて2振りくらいして水に混ぜる、またはすり餌に混ぜ込む、種子餌に振り掛けるなどするそうです。すり餌に混ぜる場合は、すり餌が人肌くらいになってから入れましょう。水に混ぜる場合は腐敗が早くなるので、6時間ごとに水を入れ替えましょう。>かずあゆさん、さえさんのコメントを参考にさせていただきました。感謝!

■ 鳥用ハーブサラダ/米国 Twin Beaks Aviary社>詳細:共同購入のページ(HOME:Timor Dusky Sparrow
Timor Finch Association のメンバーであるイギリスの飼鳥研究家の論文を元に商品化された無農薬のハーブベースの鳥用サラダです。主にフィンチ類に与えることを目的に作られているそうですが、インコやハムスター、ウサギ等の草食小動物にも良く、野生動物ボランティア施設でも保護野鳥に与えている実績があります。

管理人は長くハーブに関わっていますが、いわゆる漢方的な効能は人にも動物にも幅広く効果があります。もちろん、ハーブや漢方には使用する上でさまざまな注意が必要ですが、専門家がしっかり処方してくれたものですから、安心してあたえられます。>“Timor Dusky Sparrow”の主催者S.Takamuraさんより共同購入参加へのご協力をいただきました。感謝!

■ ボレー粉
牡蠣殻(かきがら)をくだいたもので、カルシウムの補給源として優秀な栄養補助食品です。が・・・緑色のボレー粉には合成着色料の噂がつきまとっていますし、白色のボレー粉でも原料のカキがらの洗浄(せんじょう)が十分ではなく、微量でしょうが汚染物質が付着したままのものが多いとの指摘(してき)もされています。ですから、使う場合にはざっと水洗いしてから熱湯で煮て、さらに水洗いしてから乾かして使うと良いそうです。案外、小魚の粉末の方が安心かもしれません。幼いヒナに使う場合は、すりつぶしてすり餌にまぜるそうです。

■ ペレット類
栄養補助食品と言うより、これだけで鳥のエサとして十分なものだそうです。ですが、私たちが育てているのは野生に返すべき野鳥なのですから、野生にある雑穀などと混ぜて栄養補助食品として使いましょう。

野生に戻すことができず、自分で育てるしか方法がない場合には、雑穀でなくペレット中心に育てることを薦めている動物病院もあります。グリーンペレットや卵黄ペレットなどが出回っているので、これもいろんな種類のものをあたえると良いと思います。ペレットをなかなか食べようとしない場合には、雑穀と混ぜて与えてみましょう。米国のラウディブッシュ社のペレットが獣医さんなどでは高く評価されているようです。他にも安心できる質の良いペレットをご存知の方は教えてください。


・エサの色と匂いもポイント
野生の鳥は果物の食べ頃をちゃんと知っています。これは実の色でちゃんと判断できるそうです。ですから、鳥の餌を選ぶときにはこの辺のこともポイントになります。つまり、好き嫌いがあったりする場合、同じ栄養素や同じ味であっても、色さえちがえば食べてくれる可能性が出てくるということで、好きな色はオレンジや赤や黄色が多いのだそうです。また、鳥の嗅覚(きゅうかく)はあまり発達していないと聞いていますが、こと食べるものに関しては敏感なようで、色と匂いで食べ物と他のものを区別するそうです。

私はこれを聞いて、なぜ鳥のエサにいろんな色が使われるのかがやっと理解できました。鳥も彩りを楽しみながら食事をするのだと想像すると楽しいものですが、問題は色を出すために使われる着色剤の存在です。きちんとした検査を受けた食紅などならまだ良いのですが、上記のグリーン・ボレーのように合成着色料が使われている危険性も忘れないようにしましょう。そして、野菜や果物の好き嫌いがあるときに色による工夫をしてみましょう。、

↓
つづけて次項をかならずお読みになり
使う可能性がある餌についての注意点などチェックしておきましょう

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エサの使い方と注意点

保護したヒナの種類によって動物性と植物性の餌をバランス良くあたえましょう!
保護している方はこの項目は最後までにかならず目を通して下さい


《植物性の餌の使い方と注意点》

・雑穀、野菜、果実などもあたえよう!
野生ではアオムシなど親が運ぶ虫から植物の栄養素を吸収しますが、人が親鳥に代わって育てる場合、栄養不足やビタミン不足になるヒナがとっても多いようです。ですから、雑穀、野菜、果実などもあたえると良いですが、できるだけヒナたちが将来暮らす場所の近くでとれる素材をえらんであたえましょう。葉もの野菜をちいさな頃から食べさせておくと、大きくなってからよくつついて食べるようになります。また、すり餌の中に小魚を粉にしたものをねり込むのも効果的です。

ヒヨドリにはとくに果物をたくさん与えることが大事ですが、動物食や雑食の鳥の場合は甘い果物は鳥たちにもやっぱり特別に美味しいらしく、あまり多くあたえ過ぎると他のエサを食べなくなるという問題もあります。おやつのようにたまに少量を与えて、効果的に使いましょう。

■ 鳥の健康に良い野菜
カブの葉っぱ、小松菜、大根の葉っぱ、チンゲンサイ、ブロッコリー、サラダ菜、豆苗(多くの野鳥が喜んで食べています)。近くにある雑草(タンポポ、オオバコ、クローバー、ハコベやナズナなど)も、将来自分でみつけられるように、できれば食べさせてあげましょう。

でも、せっかくあたえても農薬タップリでは危険ですから、無農薬のもを選びましょう。無農薬のものが手に入らない場合は、野菜や雑草の全体をたっぷりの水につけて、できるだけ長い時間おいておきましょう。こうすることでほとんどの農薬が水にとけ出します。ついでに、安売りのシナシナ野菜でも、一晩水につけておけばピンピンしゃんしゃん元気になります(^^)

■ 鳥の健康に良くない野菜・果物
アボガド、ホウレンソウ、レタス、キャベツ、ニラ、ネギ類
南国産のフルーツ

バナナなどは栄養価が高く身体には良いのですが、南国産の果物には身体を冷やす作用があります。沖縄以外では自然の中にあるものではないし、とくに弱っている状態の時にはあたえない方が良いでしょう。また、グレープフルーツを少量すり餌にねり込んで、すずめのヒナが下痢を起こしてしまった方もいたそうですから、注意が必要だと思います。


・雑穀・粟穂(ざっこく・あわほ)
雑穀(殻付き混合餌)には普通、アワ・ヒエ・キビ・カナリアシード(カナリーシード)が配合されています。文鳥専用のものにはさらに青米、エンバクなどが配合されているものもあります。鳥の種類によってカボチャの種、トウモロコシ、雑草の種などもよく食べます。人も一日に30種以上の食品を食べた方が良いと言われるように、やはり鳥も・・・と、私はこの文鳥用の雑穀に白色ボレー粉を混ぜてあたえていました。同じ穀類でも栄養バランスはそれぞれちがいますよね。ただし、穀類にはほとんどビタミン、ミネラル分が含まれていないので、野菜や果実、木の実、ペレットなどで補う必要があります。

最近は粟穂(あわほ)は粟が穂に実った状態で売られているので、野生にもどすヒナたちにとっては最適の訓練用のエサになりますから、是非試していただきたいと思います。まず味を覚えさせたら、あちこち場所を変えたりして、自分でみつけて食べる練習をさせましょう。雑穀も粟穂も、最近は無農薬のものがネットで手に入りやすくなってきたのが嬉しいところです。

同じ雑穀でも「むき餌」という殻がついていなものもありますが、殻付き混合餌にくらべると栄養価も低いので、もし手もとにあるようでしたら殻付き混合餌へ切り替える時の練習用くらいの感覚で使いましょう。


・粟玉(あわだま)>雛にはあたえない
粟玉はむいた粟(あわ)に卵黄とハチミツなどをまぶしてあり「ヒナ用のエサ」として売られていますが、幼いヒナには消化がよくないようですから、羽が生えそろった頃からのエサということになります。それでも未消化のまま出てくるようなら要注意です。糞の状態を見ながら使いましょう。使う場合はかならず熱湯で煮て、お湯をきってからあたえます(カビ、細菌などの消毒)。 また、ふやかしたものは傷みが早いので、そのつど作るようにしましょう。

しっかり消化できるようになったら、消毒のために熱湯をくぐらせる程度で良いそうです。しっかり水気をきって床などにばらまき、すり餌から一人餌への切り替えに使えます。でも、自然の中にむいてあるエサはあまりないので、ちゃんと食べて消化できるようになったら、徐々に固い殻付きの雑穀に切り替えていきましょう。


《動物性の餌の使い方と注意点》

・幼虫や昆虫

■ アオムシが豊富にとれる環境ならば、ほとんどの野鳥(魚食や肉食以外)がアオムシだけで育てられます。アオムシは野菜をたっぷり食べて育ちますから、植物性と動物性の両方の栄養があるすぐれたエサです。安心して満腹になるまで食べさせてもかまいませんし、ヒナも目の色を変えて食いついてくるので、とても育てやすいものです。大きいアオムシの場合は切り分けて与えます(^^;

■ バッタやコオロギも生きたまま丸呑みしてしまうそうです。バッタは茶褐色のものは体が固いものが多いので、まだおハゲがあるようなヒナにはショウリョウなど緑色のバッタをあたえましょう(同じ種類でも緑や褐色の個体がありますが、簡単に見分ける目安としてください)。またコオロギは捕まえるときにうっかりつぶしてしまうくらい体の軟らかい虫です。卵のエサやすり餌をいっしょにあたえると良いでしょう。

■ キリギリス科は小さくてもアゴが鋭いので、まだおハゲがあるようなヒナには頭をつぶして与えましょう。羽がはえそろう頃になると、自分でバリバリと頭をつぶして食べていたそうですよ。これには卵のエサやすり餌をいっしょにあたえると良いでしょう。

■ ちいさな羽虫やクモ、蚊もよく食べます。これらには卵のエサやすり餌をいっしょにあたえると良いでしょう。

■ ハエ、ミミズもよく食べますが、これらはいろいろ問題点もあるようなので与えない方が安全です。
* Yuka@茨木さんからためになる情報をいただきました。感謝!


・鶏のササミ
保護施設などでは昆虫の代用として鶏のササミをよく使うそうです。ササミは生のまま細長く裂いて、喉の通りをよくするためにかならず水に浸してからあたえます。虫に似ているのか、喜んで食いつきます。水に浸しても食べにくそうな場合は、みじんに刻んですり餌に混ぜ込んでみましょう。この場合、ササミは水分が多いわりに喉の通りが悪いという点を注意しておきましょう。丸裸のヒナなどにはリスクが大きいかもしれません。


・固形ドッグフード>昆虫食の野鳥の臨時食やおやつに
ドッグフードをたっぷりのお湯でちょうど良い固さになるまでふやかします。これをしっかりしぼってからあたえます。ツバメやムクドリなど、昆虫食中心の野鳥には良い代用食になります。ふやかしたものは傷みが早いので、そのつど作るようにしましょう。水鳥の臨時の餌としても使うようですが、あくまでも臨時の代用食ですから、ドッグフードだけで長期間育てるというようなことはやめましょう。

ドッグフードは高タンパク、高カロリーですから、植物食の野鳥にあたえつづけると動物性蛋白質のとりすぎで肥満や痛風になってしまうことがあります。木の実や野菜を中心に食べる野鳥や元来草食の水鳥などには長期間あたえつづけないようにしましょう。また、かつては子犬用ドッグフードをご紹介していましたが、獣医さんより「子犬用はさらに高タンパク、高カロリーなので、一般的な野鳥にあたえるには成犬用の方が良い」というアドバイスをいただきました。

ただし、カラスのヒナの場合にはあえて高タンパク、高カロリーな子犬用をあたえるそうです。


・ミルワーム>すべての野鳥に(とくに昆虫食の野鳥に)
鳥やハムスターや猿などのエサとしてペットショップで売られている、ニョロニョロとした茶色の小さいミミズのような幼虫で、昆虫や幼虫が簡単にはとれない環境の里親さんの多くが昆虫の餌の代用品として利用しています。ヒナの頃に植物性のエサだけで育てると栄養がかたより、羽や足などが弱ってきますから、高タンパク高カロリーで野鳥全般に使えるミルワームはとても便利です。

ただ、アオムシなどにくらべるとビタミンが不足がちになるので、野菜や穀物、果物などといっしょにあたえなければなりません。「すり餌+ボレー粉+小松菜+ミルワーム」といった組み合わせが効果的でしょう。ビタミン剤につけこんであたえるとより効果的だそうです。

ワームの容器には、ミルワームといっしょにエサになる『ふすま(木材の削りかす)』が入っていますが、ふすまはカルシウムなどの吸収をさまたげ、ミルワームの脱皮後の殻(から)もかなり消化が悪いそうです。

■ ミルワームを育てる
ミルワームはなかなかにブキミな幼虫で、多くの里親さんがトリ肌たてて立ち向かってきましたが、虫が苦手な方でも「ヒナのため」とがんばっていれば、じきになれるようです。こうして、ほとんどの里親さんがミルワームを育てるようになりました(^0^)

カルシウムなどの吸収を妨げる『ふすま』を払い落として、ドッグフードやイリコ出汁に小松菜をきざんで入れたり、カルシウムペレット、卵黄ペレット、白色ペレット、ドッグフードやキャットフードなどで育てている里親さんもいます。こうして栄養満点に育てたミルワームの脱皮直後のまだ白くてやわらかいミルワームを与えているそうです。ヒナたちはとても喜んで食べるそうで、ほんとに幸せものですね。

それから、ミルワームはどんどん増えるそうで、多くの里親さんがミルワームの容器を冷蔵庫で保管しているそうです。家族の反対も多いようですが・・・がんばりましょう(^^;

追加情報:ミルワームは常温の方が早く脱皮して、いつも白くてやわらかいミルワームをヒナに食べさせられるそうです。これも・・・がんばりましょう(^^;

■ ミルワームをヒナに与える時の注意点
ミルワームは便利ですが、消化が悪く、ヒナのノドを食いやぶるほど強いあごを持っています。ですから、ヒナたちにあたえるときには注意が必要です。

・丸裸のヒナ、弱ったヒナには中身だけをしごき出してあたえます(^^;
羽が生ええそろうまでのヒナには頭をつぶして(または頭をとって)あたえます(^^;
・羽が生ええそろった頃からは、そのままでもバリバリ食べてしまうそうです

 ミルワーム関連リンク
  扱い方、育て方など参考になるリンクのご協力をいただきました。が、ブキミな画像も多数ありますので、苦手な方はご用心!!! また、ミルワームについてのご質問などはクラブの掲示板へお願い致します。
ミルワーム/土井獣医院(HOME)

*ミルワームに関しては多くの里親さんから情報をいただきました。感謝!



《動・植物性併用の餌の使い方と注意点》

ねってあたえる卵やすり餌などは、あまりにやわらかすぎると身体中がベトベトになって大変ですし、ノド詰まりを起こしたり、水分のとりすぎで下痢をすることもあります。かたすぎると消化不良をおこします。糞の状態など見ながら、かたすぎずやわらかすぎない、ヒナが食べやすそうなねり具合をみつけてください。

人の耳たぶくらいのやわらかさが練るときの目安になります。また、こうしたエサをあたえる場合、冷たいものでは下痢をして、すぐに体調をこわしてしまいます。人肌より熱めで、決してヤケドをしない温度であたえましょう。糞の状態など見ながら、固すぎずやわらかすぎない、ヒナが食べやすそうなねり具合をみつけてください。


・すり餌>すべての野鳥に(とくに植物食の野鳥に)
「すり餌」は古くから日本で開発されてきた小鳥用のエサの代表的なもので、餌付けのエサとしても古くから使われてきました。「上餌(うわえ)」と「下餌(したえ)」を混合した粉末で、「上餌」は植物性(穀物など)、「下餌」は動物性(川魚の魚粉など)の成分となっています。「下餌」の割合を目安に○分餌とかというように呼ばれ、下餌の割合が多い餌が強い餌となります。鳥の種類によってこの割合を変えてあたえることで、ほとんどの鳥が野生で食べる餌の代用食になります。「メジロのすり餌」がどこでも入手しやすいようで、青菜や大根葉が入ったものもあります。

ほとんどの野鳥が手に入りやすい《五分餌(ごぶえ):上餌1に対して下餌が0.5》で育つそうですから、保護した鳥の食性によって植物性の野菜、果物や動物性の昆虫類を足して使うと手軽で手間もいらず、とても便利です。動物食の野鳥の場合はできれば七分餌(ななぶえ)、植物食の野鳥の場合は五分餌のすり餌を選びましょう。動物食の野鳥でも昆虫など動物性のエサを充分にあたえられる環境でしたら五分餌でも大丈夫だそうですが、動物食や雑食の野鳥の幼いヒナの場合は七分餌を用意してあげましょう。

ですが、私たちが育てるのは野生に戻さなければならない野鳥なのだということを忘れないようにしましょう。すり餌は栄養価も高く、バランスの良いエサですが、野生の世界にはそんな便利なものはありませんから、ほぼ羽が生えそろって一人餌の訓練をはじめる頃からは、リリースしたあとも自然の中でつかまえたリ、つついて食べたりできるエサを中心に育ててあげることが大事です。できるだけ早く雑穀や種、野菜や木の実、果物などの餌に切り替えるようにして、すり餌を卒業させましょう。また、すり餌だけで育てるとリリースをめざしてのエサをとる訓練がとてもむずかしくなります。

■ すり餌をあたえる時の注意点
練ったものはすぐに固くなり味も落ちますし、夏場には腐りやすいものです。ちいさな容器で少量づつ、与えるたびに練るようにしましょう。粉末ですが、缶をあけると栄養価が落ちるのも早いので買いだめはせず、できるだけ早く使いきりましょう。すり餌にはよく水気を切った小松菜やブロッコリーを微塵(みじん)にきざんで(丸裸のヒナの場合はしぼり汁)、ゆるくなり過ぎない程度に加えましょう。ビタミン、カルシウム不足を補うために野菜や小魚の粉末、いろんなサプリメント・・・と工夫して一緒にねり込んであたえましょう。


・ゆで卵で作るエサ>すべての野鳥の臨時食に
卵は固ゆで卵の白身部分をすりつぶして、蜂蜜(なければ砂糖)で練ったものを人肌よりちょっと高めの温度であたえます。白身卵のエサはアレルギーもなく安心ですし、とくに体調が悪いときに効果的です。栄養価を考えると黄身の方が良いのですが、たまに下痢やアレルギーなどの拒否反応を起こすヒナがいます。食欲が出て、糞(フン)の状態が安定してから、ほんの少量づつ黄身を足しながら試してみると良いですね。平気なようだったら、黄身もどんどんあたえましょう。わが家のすずめたちは黄身もたっぷり食べて育ちました。

卵のエサにはよく水気を切った小松菜やブロッコリーを微塵(みじん)にきざんで(丸裸のヒナの場合はしぼり汁)、ゆるくなり過ぎない程度に加えましょう。ビタミン、カルシウム不足を補うために野菜や小魚の粉末、いろんなサプリメントなどもごく少量を一緒にねり込んであたえましょう。

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『エサや育て方は?』のコーナーすべてを読み終えましたか?
“野鳥のエサのあたえ方”にも大事な注意点がたくさんあります
以下のリンクをたどって次に進みましょう

↓
翼をばたつかせたり、ちょこまか走るようになったら一人立ちの訓練に入ります
ヒナたちを育てあげる最後の難関にさしかかっています
前もって次のコーナー全体をしっかり読んでおきましょう!
 野鳥のエサのあたえ方  野生にもどすためには?

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