唐辛子ウンチクいろいろ

 

……唐辛子烈伝……

唐辛子渡来の謎…!?

唐辛子は体の応援団

当然ダイエットにも

ハラペーニョ収穫の写真

……利用と収穫……

華麗なる変身の妙技

エライ働きと育て方

収穫と利用の注意点


唐辛子渡来の謎…!?

唐辛子の起源ははるかに昔、南米のネイティブの人たちによって数世紀もの間栽培されていたそうです。かつて“アヒ”と呼ばれていた唐辛子は15世紀末、新大陸を発見したコロンブスと共に海を渡り、初めてヨーロッパに紹介されたとか。当時のヨーロッパで使われていた胡椒(ブラックペパーやホワイトペパーかな?)と比べた時のあの辛さは、いったいどんな騒ぎを巻き起こしたことでしょうね?思えば長く、想像すると楽しい歴史です。
唐辛子はその後インド、マカオ、マレー半島とわずか100年の間に世界中に拡がることになります。日本への渡来説は諸説入り乱れてあり、16世紀中頃に種子島に漂着したポルトガル船から鉄砲と同時に伝わったという『南蛮渡来説』、16世紀終り頃に豊臣秀吉のおこした朝鮮出兵から加藤清正が持ち帰ったという『朝鮮渡来説』が有名です。

唐から来たから唐辛子…!?
ズバリ、その名の通り唐から来たから唐辛子なのだという説があります。
>書籍によると、中国に唐辛子が伝わったのは17世紀前半。唐ではなく明の時代で、日本への渡来の方が先だったようです。では、なぜ「唐辛子」?時代的な流行りでしょうか。唐から来たものでなくとも唐の名前を付けることが多かったようです。

高麗辛子…!? 倭辛子…!?
江戸時代18世紀に書かれた書籍によると「唐辛子は朝鮮半島から渡ってきた」とされていて、京都あたりには“高麗辛子”という名が残っています。片や、朝鮮半島では「日本から伝わった」という記述が多く“倭辛子”とも呼ばれていたそうです。
>時代的に考えてみると、またキムチの歴史など見てみると、日本→朝鮮半島のようですね。肉食が少ない当時の日本では、あまり流行らなかったのかもしれません。肉食やキムチがどんどん進化しつつあった韓国では日本から伝わった唐辛子が積極的に取り入れられ、やがて日本に逆輸入されたという説が納得できます。

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唐辛子は体の応援団

唐辛子は体の応援団
唐辛子の効果……とくれば、昨今話題に登ることも多くなった“カプサイシン”ですね。これは唐辛子の神髄とも言える成分で、美容に健康にと幅広い活躍が認められてきましたが、もちろん、ガーデニングに於いても強い味方になってくれます。庭守RITZの知っている範囲でご紹介してみましょう。

発熱・発汗・体脂肪燃焼・保温作用
体脂肪を燃焼させて身体をあたため、毛穴を広げて発汗を促します。体温を上げてくれるので冬場には効果的ですし、夏場に辛い料理を食べて汗をかけば、水分が身体の熱と共に蒸発しスウッと体温が下がります。ラムやウォッカのような強力な蒸留酒が、格別たくさん暑い地域や寒い地域で飲まれるのと同じことですね。
冷え性の方には朗報ですよ。食べて得られる効果はもちろんのこと、布にくるんで靴の中に入れると、冬場のガーデニングにも強い味方なります。

食欲増進・消化促進・血行促進・成人病予防
カプサイシンは脂肪の分解を促し、肝臓や筋肉内のグリコーゲンの分解を促進します。そのために胃を刺激し、血行をよくするだけでなく、内臓の消化運動までも活発になり食欲を増進してくれます。冬場の運動不足で食欲の落ちる時期、夏バテによる食欲減退にも効果あり!疲れた時にもいいですね。ニンニクとの併用で、さらに効果は高まるそうです(Oh ! イタリアン!)。もちろん、オールシーズン摂取することで、より効果は増します。

体内の免疫力向上
唐辛子を摂ることで体内の免疫力が通常の二倍にも上がったというデータがあります。実験によると、食べてから半日くらいの間に最も効果があるそうです。

殺菌効果
唐辛子には酢と並んで強い殺菌力があり、保存食品には防腐剤代わりとしてハーブと共に活用されています(Oh ! ますますイタリアン!)。ハーブで作るペーストや酢漬けに、大いに活用して欲しいものです。

塩分摂取の抑制
日本人は子供の頃からお漬け物に馴染みが深いせいもあって、ついつい塩分を摂り過ぎがちです。でも、唐辛子を食べることで塩分に対する味覚が高まるという効果もあります。当然、塩味は薄めで満足できるわけです。辛いものが苦手な方でも、隠し味程度に少量づつ使ってみるといいですね。でもね、じきに慣れてくるのですよ、これが……(=^^=)

食べすぎにはご用心!
効果が高い分、食べすぎは胃を荒らす危険もあるのでご用心!とは言え、そ〜んなにたくさん食べれるものでもないですね。我が家では一日平均にすれば、唐辛子は1本くらいのものでしょうか。
「唐辛子で癌になる…」なんて話も耳にしたことがあります。唐辛子をよく食べる地域で食道ガンの発生率が多いとか……!? いやいや、怖〜いデータですね。これは『ほどほどは健康に良いが、摂りすぎは良くないぞ!』という戒めではないでしょうか?唐辛子にしろ、毎日辛々の食卓ではこれも行き過ぎですね。日々隠し味として使って、たま〜にゴッゴーン!と効かせて愉しむ。。。あれ……!? お酒と同じですね〜(=^^=)

食べ過ぎると痔になるぅ〜?
辛いものを食べべた時には肛門の血管が収縮して鬱血しやすいそうですが、詳しくはまだ解明されてないようです。でも、長い経歴を持つ肛門科のドクターに聞くと、「症例からして辛いものはあまり痔にはよくないんじゃないかぁ〜」。でも、「唐辛子を食べ過ぎて痔になったという話は聞かんなぁ」とも言ってます。そうですよね。韓国の方を見れば、食べすぎて痔になることはないと思います。
最後にドクターは「ただね、肛門も舌も同じ粘膜だからね。辛さが分解される前に肛門に届いたら……そりゃぁ肛門も辛いだろうね〜」とも言ってましたぁ〜!!!や〜っぱり、食べ過ぎには注意しましょう!

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当然ダイエットにも

唐辛子を使った辛い料理を食べる国一一インド・東南アジア・中国・韓国など一一では太った人が少ない!なんてキャッチフレーズをよく見かけますが、友人のインド人は明らかに太り過ぎています。庭守RITZの相棒の中国の友人も見るからに太っています。だから、自信を持ってとはいきませんが、理屈としては効果的だよなぁ〜と思っています。
『カプサイシン=ダイエット』という連想も珍しくなくなったこの頃ですが、どうして唐辛子がダイエット効果を発揮するのか?それは、前述したいろいろな効果を見れば思い当たることですね。カプサイシンには体脂肪を燃焼させてエネルギーに変え、脂肪酸を有効利用する働きがあります。そして、毛穴を開き体温を下げます。これはスポーツをした時と同じ状態で、運動効果が生まれていることは確かです。運動をしたようにエネルギーを消費させるのでしょうのでしょうね。
ただ〜し、唐辛子でも辛味成分のあるものに限られます。身近で摂取しようと思うなら、以下にリストがありますので参考にしてください。この頃は飲みやすいサプリメントも開発されていて、辛味は感じずに効果だけいただけるという便利なものも出回っているそうです。

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華麗なる変身の妙技

コロンブスに目を付けられて以来、世界を旅することになった“アヒ”と呼ばれた唐辛子たち。はるかな旅の末、辿り着いた先々の気候、風土にそれぞれに順応し、その国々の個性によって、必要とされる味によって、色、形、大きさの違う品種が次々と生まれました。そしてその種は、ナント!、3000種にも及ぶ!とも言われるようになりました。恐るべし!唐辛子!

チリパウダー
赤唐辛子の粉末を主原料にガーリック、クミン、クローブ、オレガノなどの数種をブレンドしたメキシコ風混合スパイス。唐辛子の英名『チリペッパー』や『レッドペッパー』とは別ものです。これを使った代表的な料理はチリコンカンかな。

チリソース
原産地南米の唐辛子チリペッパーに、トマト、玉ネギ、ピーマン、グローブなどを合わせたとろみのあるソースです。豆のチリソース煮込みなど有名ですね。
これがタイに渡ると、唐辛子、酢、砂糖、ニンニクを原料にしたタイ風のチリソースに変身し、揚げ物のタレや炒めもの、麺やご飯の調味料として使われています。

ハラペーニョソース
メキシコ産の青唐辛子ハラペーニョとお酢で作ったソース。タコスにつけるサルサソースには欠かせません。お酢が辛味を引き締めるのか、タバスコソースに比べるとそんなに辛くないですね。

タバスコソース
唐辛子を塩でじっくりと熟成させ、すりつぶたあとに裏ごしをして、塩と酢で味付けしたソース。ピザやパスタを食べに行った時、イタリアンのレストランでよく見かけますが、実はこれ、アメリカ生まれなんです!

カレー粉
アジアに渡った唐辛子は、これ又独特の変身をすることになります。スパイスの国インドではもちろんカレーが有名ですね。日本で売られているものには、コショウ、唐辛子、ターメリックをはじめ、数多くのスパイスがミックスされています。

ラー油
中国を代表する辛味調味料です。日本でも餃子には欠かせませんね。ラー油は植物油に唐辛子の辛味を移したもので、透明で美しい赤い色とピリッとした辛みが特徴です。

豆板醤
中国の四川省で四川料理に欠かすことのできない豆板醤。そら豆をベースに小麦粉(あるいは餅米)と塩を原料に、辛味をきかせた美味しい味噌です。深いコクとそら豆の風味豊かな辛味が特徴で、我が家でも切らしたことがない調味料です。

コチュジャン
韓国に渡ると、早速古来から塩漬けされていたキムチに使われることになりますが、チゲやビビンバなどに欠かせないコチュジャンにも変身します。手づくりする家庭も多く、それぞれの家庭のオリジナルが楽しめるようです。大豆、唐辛子、水あめ、麦を熟成させて作られます。

鷹の爪
最も辛味が強い唐辛子と呼ばれてきましたが、世界にはまだまだ辛い唐辛子もたくさんあるのかもしれません。日本ではどこででも見かけられ、この頃は手軽に使えるように輪切りや千切りタイプも出回っています。
赤く熟さないうちに収穫したものを青唐辛子と呼び、この青唐辛子は赤唐辛子とはひと味違った風味と楽しめます。

一味唐辛子・七味唐辛子
唐辛子を粉末にした一味唐辛子。これに山椒、陳皮(チンピ)、麻の実、ケシの実、シソの実、ゴマを合わせたのが七味唐辛子。
この七味唐辛子の歴史は古く、江戸時代初期にからしや徳兵衛さんが、江戸の両国薬研堀(東日本橋)に店を構えたところから始まります。漢方薬の調合がヒントになったものと言われています。

柚子胡椒
九州から山陰にかけての特産で、唐辛子と青柚子をすりつぶして練り合わせ、塩をたっぷり加えて作ります。青唐辛子とまだ青い柚子の果皮を混ぜ合わせた青いタイプと、赤唐辛子と黄色くなった柚子の果皮を混ぜ合わせた赤タイプがあります。九州では家庭でもよく作ります。冷蔵庫で長く持ちますし、冷凍庫に入れておいても大丈夫です。
“柚子胡椒”の名は、九州では古くから唐辛子のことを「こしょう」と呼んでいたためについたものだと思われます。刺身や冷奴、焼き魚の醤油にといて、鍋物のタレにといて、麺類の薬味として、柚子の香りと唐辛子の辛味が風味を添えます。

寒作里(かんずり)
柚子胡椒の仲間ですが、越後産の雪にさらしたあと、塩、糀、柚子などと混合し、三年間熟成させた辛味調味料です。ネットのお友達が送ってくれて以来、我が家には欠かせない食材となりました。使い方は柚子胡椒と同じですが、こちらは炒めものや煮物にも、焼き鳥に塗って焼いたりと味噌感覚でも幅広く活躍しています。写真は右から「かんずり」「かんずり(激辛おやじ)」「激辛おかき」

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エライ働きと育て方

我が家では唐辛子は庭のあちこちに植えています。唐辛子を根元に植えておくことでいろんな植物を虫の害から守ってくれるのです。唐辛子の辛味成分は葉からも蒸散され、根からも出るそうなので土中の害虫にも効果があり、土壌消毒の役目も果たしてくれるそうです。唐辛子ってエライですね。植物のボディーガードといったところでしょう。
もちろん、鉢植にしても効果があります。丈夫なので育てやすく、蒸れて枯れたりすることもないので寄植えにも使えますし、単独でこんもり丸く仕立ててもとてもきれいです。

唐辛子はとても発芽率が高いので、わざわざ種を買いに走る必要もありません。私は珍しい唐辛子をみつけた時、お願いして一個だけもらって帰ります。種は穀物醸造酢に30分くらい漬け(殺菌のため)、取り出して乾かしたらそのまま播きます。皮は、もちろん料理に使いますよ!
種播きの時期は充分に暖かくなってから。ハーブで言えば、バジルと同じ頃が目安ですね。九州でも連休の頃に種まきをします。寒いうちに播いても、発芽に時間がかかるだけです。直播きでもよく発芽しますが、やはりポット播きなどして移植しながら強く育てることをお勧めします。
定植する場合、荒れた土地でも良く育ちます。虫の心配もなく、手はかかりません。風で枝が折れやすいので、支柱を添えておくといいですね。ひどく乾燥が続く時には、早朝や夕方に水をあげてください。萎れていても、すぐに元気になります。

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収穫と利用の注意点

扱う際にはご用心!
唐辛子は前述したように発熱効果がありますが、これは、並み大抵のものではありません。チョコっと刻んで使う分にはまだいいのですが、少し多めに扱う時にはくれぐれも注意が必要です。『食べるに最高、扱うに最悪!』と覚えておいて、くれぐれも注意を怠りなく!>経験者談(^^;
注意1:手がかぶれる危険性があります。かぶれなくとも一日ヒリヒリして痛かったという話はよく聞きます。たくさん扱う時には手袋を着用しましょう。
注意2:唐辛子を触った手で、顔や体を触らないように!特に目や鼻の中など、粘膜質の部分は危険です。また、コンタクト・レンズを使っている方はくれぐれも目を触らないようにしてください。

いよいよ収穫!
ついに実がつきましたか?唐辛子は実がなるとすぐにでも使えます。青唐辛子には青いうちならではの風味が楽しめますので、是非挑戦してみましょう。微塵に刻んで料理に少量を振りかけてお楽しみください。風通しよく剪定した場合には、葉っぱも炒めたり茹でたりして美味しくいただけます。
農家では株ごと切り取って、風通りの良い日陰で乾燥させますが、我が家では使う量だけ摘み取ります。フレッシュがいただける時期には、やはりもぎたてを楽しみたいものです。青唐辛子が深い緑に色づいて膨らむ頃、九州では柚子も実をつけ始めます。青いうちにたっぷり収穫して柚子胡椒を作ります。
青い実はやがて赤く熟し始めます。赤唐辛子も是非、フレッシュを楽しんでみてください。時期的に終わりが近付いてきたら収穫して乾燥させます。室内でも乾燥できますので、リースなどにしてみても楽しめます。傷んだ実やオレンジの色の悪いものは自然農薬に使えますので、捨てずにためておきましょう。でも、自然農薬として効果を発揮するのは、じつは青から赤に色づき始めた頃の唐辛子です。ちょっと勿体無い気もしますね。
*柚胡椒の作り方はこのページの華麗なる変身の妙技で、自然農薬の作り方はヘッドメニューから「絶対無農薬宣言」へどうぞ

「辛い!」にもいろいろ
「辛い!」と感じる味覚にも二通りあるそうですね。ツンとくる鼻に抜ける辛さと口の中がカァ〜ッと燃え上がるような辛さ。前者を「SHARPな辛さ」と呼び、代表選手は和芥子君(ねりからし)、洋芥子君(マスタード)、ワサビ・ニンニクなどなど。後者を「ホットな辛さ」と呼び、代表選手はもちろん唐辛子君、胡椒君(ブラックペパーやホワイトペパー)、山椒君などもこちらの仲間です。

どこが一番辛いのか?
さて次に、どこが一番辛いのでしょう?
これは驚きの結果でした!唐辛子を割ってみると、真ん中には種がいっぱいですね。その種をいっぱいくっつけた綿のような部分……胎座(たいざ)……に辛味がもっとも蓄えられているそうです。次に辛いのは、やっぱり皮。種そのものには一切辛味成分はないそうです。

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