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RITZの闘う猫車

登場する仲間たち


●2003年04月01日(火)/

4月は桜の開花と共に植物たちが伸び伸びと成長を始める季節。私にとっては一年のうちで一番忙しい季節。休眠から目覚めた庭の植物たちの世話も忙しくなるし、芝生の手入れもはじまる。ネットでは毎春のお楽しみ“桜前線追っかけ隊”も忙しくなる。そして、姉妹サイトの『すずめっ子クラブ』にはそろそろ野鳥の相談メールが入りはじめる時期でもある。あぁ、今年は命を落とすヒナが少なくなりますように!
4月は休日のスケジュールも賑やかだ。第一週の桜陶祭(波佐見焼きの陶器市)に始まって、第二週の馴染みの酢屋さんの蔵開き、第三週の義父の命日とお出かけも増える季節だ。お楽しみがいっぱいで、考えるだけでワクワクしてくるが、如何せん、目下体調はベリーバッド。早く風邪とおさらばして、この春三昧を思う存分楽しみたいものだ。ゲホゲホ……。


●2003年04月01日(火)/

4月に入って、新しい仕事が本格的に動き出した。
これまでは村起こしや町起こしなどの企画を生業とするGONZOの仕事の助っ人(web制作や地元特産品への工夫アイデア、経理、事務、運転手、雑役)がメインだったが、今回の仕事は私の本領を発揮できる仕事になりそうでわくわくしている。仕事の内容は「ハーブや新鮮な食材を使って、見栄えの良いスチール撮影用の料理を作る」というもの。でも、それだけで満足するRITZさんではない。どうせやるなら欲張りに!・・・ハーブやフードを乗り越えて“ライフ・コーディネイト”まで幅を拡げていきたいと意欲満々、鼻息バフバフの勢いだ。私のモットー『どうせ生きていくなら楽しく暮らす』を世界規模に広めたいという壮大な野望を胸に抱いているのである(=^^=)Y
料理だけではなく、撮影にぴったりの“家”を探すというのも私の仕事の一部だ。幅広い交友関係を生かして撮影住宅確保に奔走しているが、ここにまた面白いネタがふんだんに転がっていて、実のところ新サイトの構想が浮かんできているところ。「家」というものは、ホント、面白い。
A House is not a Home!
これはわが相棒GONZOが、いつだったか……ちょろりと洩らした言葉。要するに「家」というものはただの器であって、家そのものが評価されることはないのだ。例えば同じ作りの家であっても、住む人それぞれが暮らしていくうちにそれぞれの持味が家に染みついていって、いつか同じ「家」でも個々の味を持つようになるのだと。うん、確かにそうだ。「家」を飾ることと家を楽しむことの間には大きな違いがあるように思う。これからはこの仕事の合間に「家」と「暮らし」というものについてじっくり観察を続けていきたいと思っている。


●2003年04月02日(水)/スーパーひろ爺、デビュー!!!

新しい仕事の第一弾はわが家での撮影だった。わが家は「友人割り引き、撮り放題」という条件だったので、撮影スタッフ総勢8人が泊まり込みでやってきた。家中のものが一部屋に押し込められ、撮影用小道具が持ち込まれ、インテリアの撮影で一日が暮れた。夜にはもちろん、引っ越しの最中のような家の中でとれたての刺身とRITZさんの手料理と、そして翌日に持ち越さない程度のアルカホリックが嗜まれた(^^;
翌日は見目麗しいモデル(新婚夫婦という設定)がやってきて、わが家で臨時の新婚生活を楽しむ・・・ほんとに楽しそうだった(^O^)  私が刻んでおいた野菜を刻むしぐさをしてパチリ、私が作ったソースを混ぜるふりをしてパチリ、私が作った料理を美味しそうに食べるところをパチリ・・・正直なところ、私は人生の中であまり裏方をやったことがなかったもので、これは至極面白い経験だった。
だが、今度の仕事は他所様の家で、しかも私の紹介での初仕事。「粗相がないようにしなければ!」と張り詰めた思いで臨んだのだが、なにせ相手はスーパーひろ爺(お隣さんちのスゴイお爺ちゃん)・・・心配した方が損だった。プロのカメラマンたちの動きを楽しそうに眺め、デジカメや機材について質問をし、生まれて初めてのモデル役も楽しそうに、かつ滑らかにこなした。恐るべし、ひろ爺……(RITZさんは惚れなおしたらしい)。。。
和やかな雰囲気の中で私も腕を奮った。
撮影用の料理は見た目重視なので、時には食べられないものの方がそれらしく見えることも多い。例えば、写真になると本物のコーヒーより醤油の水割りの方がコーヒーらしく見えたりする。中途半端な色合いのドレッシングより、紅ショウガの漬け汁やタバスコの水割りの方が効果的だったりもする。だけども、我がチームの場合は作った料理の試食もまた楽しみのひとつなのだ。「今日のメニューは?」とこっそり聞いてくる若いスタッフたちの歓び食らう様を見るのも、私の楽しみのひとつなのだ。だから、料理は真面目に、かつ美味しく作ることにしている。
今回作った料理は「いろいろ煮っころがし」「青菜のおひたし」「蟹としじみの炊き込みご飯」「ハーブサラダ」「豪快バーベキュー」・・・すべて誰かの胃に収まった。恐るべし、若者たち……。


●2003年04月03日(木)/当って砕けろ!

当って砕けろ!・・・私の人生にはこの台詞がきわめて頻繁に登場する。体当たりして、バラバラに砕け散ったことも多い。でも、砕け散ったとしても、涙目でかけらを拾い集め、かならず再生する。そぅ、私は形状記憶擬似体合金で構成されたT-1000型ターミネーターのように強いのだ!わっはっは。。。
というわけで、ではないけれど、とにかく今度の撮影の仕事を始めた時に、すぐに頭に思い浮かんだ素敵な「家」があったのだ。その家は、私が田舎暮しを始めようと土地探しのために長崎中を愛車で走り回っていた頃にみつけていた、かつて候補地のひとつに建っていた。その土地がどうなっているんだろうかと、ずいぶん後になって見に行ってみると、とっても素敵な喫茶店兼住宅が建っていたのだった。もちろん、入ってお茶をいただき、お話もしたことがあった。私はそこを訪ねてみることにした。喫茶店なのだから、お茶でも飲みながらさり気なく話を持ちかけてみようという算段だった。ところが、行ってみると喫茶店は営業を辞め、閉店後の後片付けをしている様子だった。
さて、どうする? 見知らぬ家のチャイムを押せるか?? 数年前に一度会った客のことなど覚えているだろうか???
いやいや、住んでいるのは同じ景色を気に入った人なのだし、家や家具の好みだって似ているし、私と同じようなライフスタイルを求めた人だろう。それに、あの素敵なインテリアを、こだわりのコレクションの数々を諦めるのは勿体ない。せっかく1時間もドライブしてきたのだし、エイ、ままよ!当って砕けろ!・・・とチャイムを押してみた。
砕けなかった!
しっかり覚えていてくださったばかりでなく、突然の訪問と妙ちくりんなお願いに嫌な顔をすることもなく、撮影に家を貸してくださることを快く了解してくださった!!!
オオゥ、人生はなんと素敵な出会いに満ちていることか!!!


●2003年04月11日(金)/往復5時間のお楽しみ

片道2時間半ドライブをして福岡県大牟田市へ。今日はわが家を設計してくれた友人設計士の手になる家々を下見に行った。
高速を走っても一般道を走ってもさして時間が変わらない場所なので、もちろん一般道を走る。残念ながら多くの桜並木の桜はすでに葉桜だったが、さまざまな木々や花が道中を楽しませてくれたし、カチガラスの巣を数えながら走るのも楽しみのひとつだ。途中、車を止めて、休憩がてらに休耕田のあちこちの巣から聞こえてくるヒバリのヒナたちの鳴き声に耳を傾ける。高速道路にはない楽しみだ。
さて、最初に訪ねた一軒はすごい豪邸!なのにちっとも威張ってない家。賑やかな住人とずっとそこにいたいと思わせる庭、ミニ羊のようなプードルちゃんが出迎えてくれた。人がよく集まる家らしく、しばらくお邪魔してるうちにだんだん人が増えてくるのが可笑しかった。
別の一軒は、なんだかまるでわが家にいるような気分でいられた。家の作りも間取りも雰囲気もまるで違うのに、同じ素材を使っているだけでそう感じたのか? やはり設計士の個性かな? きれいに片付けられた家を見て、私も掃除をしなければ……と反省。
最後の一軒は、我が友人設計士が再生した古民家。これは素晴らしかった!!!  昭和8年に建てられたという住宅だが、天井、梁、欄間、建て具、ガラス、照明器具とどこにも意匠が凝らしてある見事な家を、あえて修復にとどめた友人の思いが心に沁みた。押し入れの木製建具の裏側や柱の目立たない場所などにこっそりと修繕や塗装の日付が残されていて、かつての住人の覚え書きが家への愛着を思わせた。かつてこうした家々を平気で壊して近代化と称したのかと思うと、とても惜しくてならない。かわいいラブラドル黒とちっちゃめのコリーとも遊んだ。
それぞれにイマジネーションを刺激してくれた三軒の家・・・私の頭の中には、それぞれの家にぴったりの料理の映像がしっかりと浮かんでいる。うふふ、頑張るぞ・・・って、忘れないようにメモをしとかなくっちゃ。


すずめっ子クラブでの活動と仕事が忙しくなり、日記はしばらくお休みします


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