海と空と針槐 > RITZの闘う猫車 > このページ


RITZの闘う猫車

登場する仲間たち


●10月1日(日) 雨/すずめ VS GONZO :1
 9月から10月初旬にかけて、ヒナが全部巣立って、卵を生む前のほんの短いチャンス。午前中にGONZOがテラスのすずめの巣を撤去した。去年から残っていたもの、新たに運び込んだもの、テントの隙間から引きずり出した巣の残骸は大きな山になった。以前から相談して決めていたことではあるが手伝う気にはなれず、GONZOも手伝えとは言わなかった。
 我が家は凹型、テラスは窪んだ部分にある。幅5mもある日除けテントは強い風や台風にも耐えられるよう頑丈に壁に取り付けられている。巻き込んだテントの奥深く造られた巣は雨や冷たい北風も避けられるし、南向きで暖かく、分厚いテント布は防寒の役目も果たしているのだろう。毎年、数十羽のすずめが住み着いている。お陰で我が家のテントは日除けにも雨除けにもならない。なにせ、巣があるので年中閉じたままの状態。。。
 すずめ達には確かに理想的な場所のようで人気も高いらしく、競争率も激しい。この時期には場所取り競争が耐えない。でも、問題は海から吹き付ける強い南西の風、窓の開閉の度に慌てるすずめが落として溜まるワラ屑の中に潜む蛇、すずめには安全でも人間には怖いムカデ。風雨に煽られて落ちてきたちょんの字、溜まったワラ屑を私が掃除している時、騒いだすずめ達が羽で飛ばして落としたと思われるR2D2、C3PO。テラスの団地も決して安全な場所ではないのだ。これ以上、このテラスで可哀想なヒナを出したくない。
 でも、ここから追い払ったとしても私達の目に見えなくなるだけのこと。。すずめにとって危険がない場所などあり得ないのかもしれない。GONZOは、たぶん、悲しいすずめを見たくないのだと思う。悲しむ私を見たくないのだろうと思う。


●10月2日(月) 曇のち雨/すずめ VS GONZO :2
 全身ゴミだらけになって頑張ったGONZOの努力をあざ笑うかのように、早くも昨日の午後からすずめ達は巣作りを再開した。今日は昼からの雨で彼等はどこかに退散しているが、晴れ間が続けばあっという間に立派な巣ができ上がるのだろう。。
 去年はGONZOがあっという間に音を上げた。今年はどうなる?
 卵が生まれてしまえばGONZOは手を出せなくなって諦めるだろうが、それまでGONZOが長期に渡って根負けせずに頑張り続けるか、すずめたちが粘り勝ちするのか。でも、あの諦めることを知らないすずめ達の熱心で一途な巣造りが人間に阻止できるのか。。。いずれにしても困った結果というものはない。なるようになれば良い。私は高みの見物といくか…。


●10月7日(土) 晴/ぼちぼち
 陽射しが秋の枯葉色をまとって、やわらかく温かくなってきた。暇をみつけては庭に出る日々が増え、出てみると仕事は山のようにある。雑草とアップルミントに埋め尽くされた小鳥たちの庭、茶庭の敷石は草に覆われ、ハーブ並木ではモグラと葛が秋を満喫している。畑にはいつの間にか厄介な雑草が入り込み、荒れ地も、悲しいことに、台風時の潮風で真っ黒になったコスモスたちが悲惨な姿を晒したままだ。。それでも、あちこちに芽を出し始めたフリージアやイキシア、たくさんの実を付けた紫式部や南天と楽しみも山盛だ。芝生はそろそろ成長も止まり、一段落というところ。台風で痛んだ針槐やエルダーは浅い緑色の新芽を出している。秋は諦めざるを得ない状態だが、春に向けてぼちぼち頑張りますか。。


●10月10日(火) 晴/気長に頑張ろう
 土曜の夜の宴会疲れと日曜の強風土砂降りで家にこもり、連休の二日間は朝から分厚いブラインドを下ろして映画三昧。今日、庭に出てみると鉢は倒れ、枝は折れ、テーブルはひっくり返り椅子は倒れ・・・ひどい有り様。金、土曜でハーブ並木から引き抜いた雑草の山はあちこちに散乱して、絡まって、朝からぶぅぶぅと庭を片付けた。でも、ハーブ並木のあちこちに芽生えたラベンダー、大阪から嫁入りしてきたレモンの木の苗、時間切れで移植に至らなかったのが幸いだった。。「気長に…」が一番だと自分に言い聞かせる。


●10月12日(火) 晴/コスモス
 例年なら、手入れの行き届かない荒れ地は今頃コスモスに埋め尽くされている頃だ。だけど、今年は台風時の潮風で痛んでしまったり立ち枯れしてしまったり、あまり綺麗な景色ではない。それでも強いコスモス、気がつくとたくさんの花を付け始めている。幹は黒く変色して、葉っぱもぼろぼろ状態なのに、花はたくさん付けているし、蕾もたくさん。。やわらかな、繊細な印象の花なのに、コスモスって強い!
 今日はコスモスの林の中に潜り込んで、一心不乱に雑草を抜いた。暗くなり始めて顔をあげると、獣道ならぬRITZ道ができていた。。明日、写真でも撮ってみようと思う。覆われて下敷きになったタイムとセージが枯れていた。


●10月30日(月) 曇/おタキさんの遊び場
 この4年間、「毎日のハーブとニンニクと唐辛子のお陰で風邪知らず!」と鼻高々だったのに・・・風邪をひいてしまい、二週間以上も寝込んでしまった。なんだか情けない。微熱の倦怠感はあるもののベッドで寝てばかりというのも退屈で、ここぞとばかりに本を読みあさった。寝ては読み、食っては読みの日々が続き、ようやく回復したものの、さらに時間の感覚が混乱してしまった。真夜中にギンギン元気なのである。。。
 久々の買い物に出かけようと車に行くと、おタキさんが逃げた。そして・・・ナント、両方のサイドミラーの周りにだけびっしりと鳥の糞が・・・。。私の愛車はどうやらおタキさんの遊び場になっているらしい。ジョウビタキは好奇心旺盛な上にやたらと縄張り意識が強い。鏡に映った自分の姿に攻撃をしかけているのだろう。毎日続くとなるとちと問題だが、せっかくの遊び場を取りあげてしまうのも忍びない。しばし、悩みながら楽しもう。


●10月31日(火) 曇/ヒステリーの効果
 菊の字は、結構クールである。GONZOは忙しく、気もまわらない。独りベッドにいた私はフラフラと這い回りながら自分のことは自分でやる。これはいつものことなのに、数日ぶりに風呂に浸かっているときに、突然、無性に腹が立ってきた。そして、GONZO相手についに爆発。「うちには家族はいないのか〜!」「私なんていなくなってもいいんだ!」寝込んでから一週間めの出来事。微熱と動けないイライラが原因の不当な八つ当たりである。
 でも、たまにはヒステリーもいいものだ。その後の一週間、GONZOは料理本を片手に慣れない料理に挑戦し、それなりに楽しんでもいたし、美味しいものもたくさん作ってくれた。それを見ていた菊の字も感じるところがあったのか、用事を見つけては恥ずかしそうに寝室に来るようになった。
 そして、私が風邪をうつしてしまったこの数日間、菊の字はやたら甘える。身体が痛い、寒気がする、あれが食べたい・・・菊の字は結構甘えん坊である。たまには私のも甘えさせろよ。。。


戻る 次へ