■死ぬかと思った ■罠にはまった ■胸にこたえた ■腹がよじれた ■寝るかと思った

レイ・ブラッドベリの書庫

……Ray Bradbury……

ベストセラー

7歳の頃からポオやオズの魔法使いを好み、12歳の頃には玩具のタイプライターで最初の物語を書き上げていたブラッドベリは、その生涯で膨大な数の作品を遺し、その多くは長い時を経た今も心の片隅に追いやられた大切ななにかをを呼び覚ましてくれます。私に読書の楽しみを教えてくれた大好きな作家の一人ですが、大事にしていた本は全て母に捨てられてしまったため、目下、古書店でせっせと集めているところです。

涙を飲んで選ぶオススメの一冊
たんぽぽのお酒

←ベストセラーへのリンクはInternet Explorer 5、Netscape Navigator 6 以上のブラウザで快適にご覧になれます。詳細は『この書庫の使い方』へどうぞ



蝋燭 The Candle(ろうそく)
ウィアード・テールズ5(米版では'42年11月号)に収録
北山克彦=訳、宮壁定雄=編集/カバー=神田昭夫/12.Jan.'02読
ブックマーク
細長く、表面にはすばらしい四肢をした長い髪の娘の全身像が彫られた青い蝋燭は、点っているのではなく、清らかで揺るがぬ光を自ら発光していた。金物屋のショーウインドウでみつけたその美しく妖しい蝋燭に男は復讐心を託した・・・ショートショートに凝縮されたブラッドベリの怖〜い世界。

モダンホラー書き下ろし傑作集 カービー・マッコリー編 闇の展覧会2に収蔵
見えざる棘 A Touch of Petulance(とげ)
'80年刊行 in USA/11.Jan.'02読/ハヤカワ文庫/北山克彦=訳、広瀬順弘=訳/カバー=辰巳四郎
ブックマーク
幸せな新婚生活を送るジョナサン・ヒューズはある日「運命」に出会った。列車の中で隣に座った男の持っていた新聞には一一主婦、射殺さる。警察、夫を手配。死体で発見されたのは、アリス・ヒューズ夫人で一一という記事が!
今では見なれたタイムトリップものだが、ブラッドベリの手にかかるとお見事!の一言。ショートショートが多くを問いかけてくる。 

レイ・ブラッドベリー
洋書 a novel
レイ・ブラッドベリー
単行本
たんぽぽのお酒 DANDELION WINE
1957年/晶文社文学のおくりものシリーズ第一刊/北山克彦=訳
ブックマーク
少年ダグラスのたった一度しかない12歳の夏。山ぶどうや山イチゴを摘みに出かけた森のなかで、木漏れ日の下で、彼はなにかに出会う。なにか大きなもの、素晴らしく走るもの、魂を振りうごかすなにか……その夏の日、ダグラスは初めて自分が「生きている」ことを知り歓喜する。だが、それはこっそりと忍び寄る秋の気配にも似た「死」へと思いを巡らす始まりでもあった。
夏の宵闇のなかを彷徨う殺人鬼『孤独の人』、近所の老人が開発している『悲哀マシン』、アーケードで未来を占う蝋人形『トランプの魔女』、そして大好きなおばぁちゃんとの別れ。へこたれそうなダグラスに勇気を思い出させてくれるのは、夏をつかまえてキラキラ輝く瓶に詰め込んだたんぽぽのお酒。
欲しくてたまらないテニス靴を手に入れることを夢見る少年は溢れんばかりの想像力とともに夏を駆け抜ける。読む度に失った何かをみつけられる私の宝物の一冊。多くの少年たちに読んで欲しいと願う。


書庫トップに戻る