こんにちわ。ボクはすずめの「ちょんの字」です。
ボクは赤ちゃんのころ、嵐の夜に巣から落っこちて
死にかけていたところを人間のお母さんにひろわれました。
今は元気に育って、毎日、広い空をたのしく飛びまわっています。

写真はやっと羽がはえそろった頃のボク。
ちっちゃいけど、しっかり指につかまって立ってるでしょ？
野生で育つボクたちはこんなにちっちゃいうちに巣立っていくんです。
まだほとんど飛べないけど、巣を離れてから地上でいろいろ教わるんだよ。

だけど・・・ボクたち巣立ちヒナがあんまりちっちゃいし飛べないから
巣から落ちたんだろうと、まちがって保護してしまう人がとても多いんだ。
スズメ、ヒヨドリ、ムクドリ、メジロ、セキレイ……
毎年、たくさんの野鳥の親鳥たちが自分のヒナをさがしています。

だからすずめっ子を代表してちょんの字からのお願いです。
ボクたち野鳥のことをもっともっと知ってください！
そして、ケガのないヒナはひろわないで！
これがボク、ちょんの字の主張です。

これでもりっぱな巣立ちヒナ！

これがはじめて飛んだ日の弟分です。翼の下やお尻のあたりはまだハゲハゲなんだよ。クチバシの先から尻尾の先までが7cm。ちゃんと飛べるようになるまでは草むらにかくれたりしながら暮らすから、このころにまちがってひろわれる仲間が多いんだ。道ばたにいるし、飛べないし、尾っぽもつけ根から2cmと短いから、どうしてもまちがえられちゃうんだろうな。

だけどこのころは、親すずめから自然の中で生きていくためのいろんなことを教わる一番大事な時期だから、道にいても迷子とまちがってつれていかないでね。親すずめはいつも忙しいから、たまに一人で過ごすのも大事な訓練のひとつなんだよ。それに、このころに親鳥とはぐれるとボクたちは生きていけないんだ。

ボクたちの暮らしには、もっともっとみんなが知らないいろんなことがいっぱいあるよ。ボクたちのことをもっと知るために、人間のお母さんの観察メモを読んでほしいな。
RITZのスズメ観察メモ

落っこちちゃった落巣ヒナ

こっちは巣立ち前の弟分。お腹いっぱい卵を食べたあとで、のどの「そのう」という袋がパンパン。足やお腹、お尻のあたりやちいさな翼の下はまだおハゲちゃん。よく見ると、羽がストローみたいでしょ？もうちょっと大きくなったらこの羽管(うかん)がわれて、ふわふわの羽がでてくるんだよ。すごいでしょ！

この弟分みたいにまだ立つこともできないのに巣から落っこちたり、強い雨や風で巣ごと落っこちてしまったり、溝から出られなくなったりと、ボクたちは時々いろんな災難にあうんだ。こんな時には親鳥にだって助けることができないこともあるんだよ。その時と場合によっていろんな助け方があるから、いつか道ばたでボクたちに出会う前に見ておいて助けてね。

それから、ボクたちの巣を落っことしたりはしないでね。
レスキュー・チャート

野鳥のケガや事故も増えてるんだよ！

この妹分はちっちゃい頃に巣から落ちてひどく頭を打ったから、自分で立つことも、自分で食べることもできなくなったんだよ。このごろは危ない場所に巣を作る野鳥が増えたって、人間のお母さんはいつも心配しています。だけど、山や森の仲間も住宅難でだんだん都会に引っ越してきてるし、ボクたちも大変なんだ。

でも、もっとたくさんの人がボクたちがどんなことで困ってるかを知ってくれたら、ボクたちはもっと安全になるんだって。今はまだ、知らない人の方が多いんだね。これからはボクたちがどんなことで困っているのか、どんなことを喜ぶのかもみんなに考えてほしいな。

それから、子育てをしている野鳥の巣を人が勝手に取っちゃったりするのは、法律違反になるんだよ。このことも知っておいてね。
人も野鳥も地球の仲間

いろんな仲間がいろんな理由で保護されているけど、どんなヒナがどんなふうに保護されているかも見てみてね。
クラブ思い出アルバム