海と空と針槐 > ご近所瓦版 > 酢蔵開き1 酢蔵開き  
   

 

坪庭の梅の老木   福岡県大川市榎津にある酢屋商店は創業三百五十有余年の老舗。毎年春に催される蔵開きには、各地から大勢のファンがやってきます。この頃では町内のいろんなお店も参加するようになり、家具と職人の町「大川」らしく作家さんたちの特設ギャラリーなども増え、年々賑やかさを増しています。
建物自体が大川市の重要文化財に指定されている酢屋商店は、蔵開きの際には住宅部分も解放され、お茶の手前や創作料理、時代を経て受け継がれてきた雛人形の展示なども楽しめます。
あちこちにある坪庭も私のお気に入りの場所。先々代の頃にもすでに古木だったという梅の木は今も大事に手入れされています。
    古道具ギャラリー

店鋪横のギャラリー
昔の酢造りの道具類が並んでいます。手入れの良さには驚くばかり。これも、お酢の力かな?酢屋商店の全体の雰囲気からは伝統と言うより、長く育まれてきた優しさを感じました。

       
蔵の中 白壁の蔵

最近一部改修された蔵は、蔵開き期間中はギャラリーとして使われます。蔵の奥には半分は土の中に埋まった瓶(かめ)が並び、柿渋(かきしぶ)で幾重にも塗られた和紙で蓋をしてあります。日頃は薄暗くひんやりとしたこの蔵の中で、酢屋商店ならではのまろやかな黒酢が静かに熟成の時を刻んでいます。

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