ハーブたちの自己主張


ターメリック/ウコン(英名:Turmeric、和名:ウコン)

山盛りのウコンの根ショウガ科クルクマ属の多年草

2000年12月14日撮影/ザルの幅は35cm
畑の枠を乗り越えて、すくすく成長したウコン。
邪魔になるところを掘りあげてみると・・・
こりゃぁ、 食べきれないぞ!
肥料を与えてなかったのでちょっと小振りですが、
中身は立派にオレンジ色でした!!!

育て方  収穫  保存
ウコンの効果的使い方
ウコンの見分け一覧表

 

育て方

苗を確実に越冬させることさえできればあとは大した手間もいりません。育て方はショウガと同じですが、植え付け時に病害虫予防のために切り口に木灰を塗っておきます。日当たりたっぷり、水と肥料もたっぷり与えて育てましょう。肥料好きで、ぐんぐん根茎を肥大させます。連作する場合も同じですが、肥料はミネラルの多い有機性の肥料が理想です。鶏粉はアルカリが強すぎて多量の施肥は根腐れの原因となりますのでほどほどに。牛糞の方が合うようですね。
……と言っても、我が家でな〜んにも与えてないのに元気に育っています。これまたショウガと同じで、土の中に根塊のかけらが残っていると、翌年も元気に発芽してきます。里芋を上手に育てられる人には最高のウコンが育てられると言われます。極端に寒い地方では、ハウス栽培をお勧めします。

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収穫

ウコン収穫2000年12月15日/根塊の幅は25cm
掘り残したちいさなかけらが道路の砂利の部分でここまで育ちました。お日様の力だけでこんなに大きくなれるその強さが、様々な効果の元でしょう。これから分けられて、日本各地の里親さんの元へ旅立ちます。頑張れよ〜!
収穫は葉の終わった秋に根塊を傷つけないように掘り上げて(すぐに折れたり割れたりします)、さっと茹でるか蒸すかしてから乾燥させます。乾いた根塊の表皮を剥いて粉末にし、さらにしばらく乾かしてから保存しています。煮込み料理にはスライスしたものでも良いでしょう。根塊の中身のオレンジ色が濃いほど上質だそうです。ショウガのように栽培中に一部を掘り取って使うこともできます。土を戻す前には病害虫予防のために切り口に木灰を塗っておきます。

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保存

長崎あたりでは植えっぱなしでも充分に越冬しますし、翌年も元気に育ちますので、何年かは植えっぱなしでも構いません。でも、巨大になることは覚悟しておいてくださいね!掘り上げて保存する場合は丁寧に掘り上げた根塊をしばらく乾かして、根っこや土を落としてから新聞紙にくるみ、屋外の倉庫の風通しの良いところに保存しています。ネットなどで吊るしておくといいですね。ただし、これは長崎の話で、寒い地方では温かい場所に保存するなど、工夫が必要なようです。
突発的な寒さなら5度くらい、常時の寒さなら10度くらいでもしのげるようです。これより気温の下がる地域では、ショウガのように土を深く掘って埋める、モミガラなどでおおって木箱で保管するなど工夫が必要です。肝心なのは風通しを良くしておくことです。

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ウコンの効果的な使い方

クルクマ属の植物はインドやネパールでは神から与えられた聖なる植物として扱われていますが、臨床的にも癌の予防や多くの生活習慣病、活性酸素によって引き起こされる病気など効果のあることが認められてきています。
最も重要なのは香り成分なので、乾燥などで香りを損なわない掘りたての生で食べることで、最も高い効果を得られます。それぞれのウコンの特性を理解して使用すれば、家庭で簡単に栽培でき、治療できる貴重な薬草です。沖縄から東北あたりまで栽培は可能だそうですので、是非、チャレンジしてみてくださいね。
それと大事なことがもうひとつ。ウコンは症状が重い程、ごく小量で速やかに効くそうです。過剰摂取は逆に効果を失うことになり、副作用が出ることもあります。どんなカタログを見ても「副作用なし」と書かれていますが、《作用の無いものには副作用はなく、副作用の無いものには作用も無い》というのが生化学の常識なのだそうです。これには大いに頷けますね。なかなか効くなぁと思ったら、量を増やすのではなく、少なめにして常用した方が効果的ですね。
体質によっては、いわゆる『好転反応』が出る方もいます。一時的に体や足の裏が火照ったり、下痢気味になる、湿疹や鼻血などの症状が現れるそうです。これは摂取量が多すぎるという信号ですので、量を減らすか、一旦、摂取をやめて正常に戻してから再び少量づつ飲むといいそうです。

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ウコンの種類別一覧表

クルクマ属の種類は50を超え、その種によってそれぞれに効能が違います。なのにきちんとした学術的な分類もされておらず、CMやカタログ、ネットでの紹介など見ていると、その混乱ぶりは素人の私でさえ目にあまるものがあります。とくに紫ウコンや薬ウコンに関しては、調べれば調べるほど、分類、学名ともに混乱しているのが目につきます。種の特定が待たれるところですが、わかる部分だけ自分なりにまとめてみましたので参考にしてみてください。

並外れた効果が話題になって、この頃は健康食品として様々な商品も出回るようになりました。きちんと研究・管理して生産しているところもあれば、ウコンを減らして添加物を増やしたり、他の種のウコンで代用したりと、粗悪品も出回っています。購入する際にはきちんと調べて選びましょう。大事なのは「種類」よりも「品質」です。包装が悪くて褪色することもありますが、効能効果には影響はありません。

秋ウコン
スパイスとして古くから使われてきました。その効能の方はさらに研究が進められています。また、熱帯アジアのターメリックにはクルクミンが非常に多く、クルクミンによる抗酸化作用と紫外線カットの効果が強いそうです。原産地のウコン・オイルやウコン・クリームには興味津々です。浸透性の良いツバキ油にハルウコンと熱帯アジア産のウコンを抽出したウコン・才イルは頭皮と毛髪に非常に良いようです。

春ウコン
素晴らしい効能に脚光を浴び、さらに研究が進められています。秋ウコンとは少し違った効能を持っているので、併用して使うと良いそうです。

紫ウコン
紫ウコンには種類が多く、情報が混乱しています。アーユルヴェーダ研究会の報告によると、屋久島産、沖縄産の紫ウコンはインド、マレーシア産の原種とは違うようです。効果はそれなりに良いようですが、原種の紫ウコンは春ウコンの効能も兼ね備えた優れものだそうです。

薬ウコン
各種ミネラルが豊富でクルクミンの含有量が数十倍と多いことから人気急上昇だが、一部専門家の間では過大評価との噂もある。でも、古くから生薬をして使われていることは確か。

通称 秋ウコン 春ウコン 紫ウコン クスリウコン
正式名 ウコン キョウオウ ガジュツ クニッツウコン
英語名 Turmeric Wild Turmeric Zedoary Xanthorrza
学名 Curcuma. longa.L
*CurcumaはC.と略
C. aromatica Salisbury C. zedoaria Roscoe C.xanthorrhiza Roxb?
C. Domesteca Valeton?
原産地 熱帯アジア インド インド、マレーシア インドネシア
切断面 橙黄色〜暗赤黄色 黄色 青灰白 濃い赤黄色
根茎外皮 茶褐色 淡黄色〜淡褐色 淡黄色〜淡褐色 茶褐色
葉の状態 繊毛が無くツルツル 裏に繊毛 葉の中央は紫 周囲が茶っぽくなる
偽茎  
花色 白色花弁
紅色のしぼり
ふちどりがピンク

8月〜10月開花
白色花弁
紅色のしぼり
濃いピンクに見える
2つづつ花をつける
4月〜6月開花
白色花弁
紅色のしぼり
淡いピンクに見える
2つづつ花をつける
6月〜8月開花
白色



6月〜9月開花
香り良、苦み少 辛みより苦みが強い 辛み、苦み、刺激強 昧や香りはよくない
用途 生薬・食用スパイス
カレーのルー
たくあんの着色料
(防腐効果)
ブレンドマスタード
サフランの代用
主に生薬・健康食品 生薬・健康食品
*クルクミンは含まない
が、精油の高い効果で薬
用として使用される。胆
汁の分泌促進や殺菌作用
は春・秋ウコンより高い
生薬・健康食品
*クルクミンの含有量が
もっとも 多く、各種の
ミネラルも豊富
共通効能 主成分クルクミンには抗酸化作用があり、胆汁分泌促進作用による肝機能障害の予防
肝機能促進効果があり肝臓病、肝炎、肝硬変、胆道炎、胆石に効果。利尿作用もある
体内の活性酸素(非常に攻撃性の高い悪玉酸素)を除去する作用
胃ガン予防、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃弱など健胃作用
効能 とくに肝臓に効果 とくに胃に効果 とくに胃に効果 とくに肝臓に効果
・抗酸化作用と
有害物質の解毒作用
・喫煙などによる
有害物質の解毒作用

アルコール性肝炎
アルコール分解促進
コレステロール低下

動脈硬化防止
高脂血症、二日酔い
口内炎
経閉痛・腹痛など
高血圧、糖尿病、関節炎、腰痛、リュウマチ、肩凝り、便秘、難聴
胃酸過多、黄疸
腎臓病、脳血栓
心臓病、狭心症
低血圧、結核
滋養強壮、疲労回復
食欲不振、夏ばて
貧血、偏頭痛、傷
座骨神経痛、冷え性
不眠症、耳鳴り
顔のむくみ
眼底出血、ゼンソク
老化防止、痔
蕁麻疹、吹出物
月経痛、生理不順
二日酔いなど

殺菌、抗菌
消炎作用もある
動脈硬化防止、不整脈、高血糖
パーキンソン病、白内障・緑内障、花粉症
口臭、肥満、肌の若返り、神経痛
消化不良、腹痛、下痢、更年期障害
慢性萎縮性胃炎
アルコール性肝炎
コレステロール低下
腎臓病高脂血症
脳梗塞、心筋梗塞
皮膚病、歯槽膿漏
歯周病改善
冷え性生理不順など

殺菌作用
病原性大腸菌、黄色
ブドウ球菌、コレラ
ピロリ菌、チフス菌
等による抗潰瘍
抗腫瘍作用、感染症
科学物質中毒
血液浄化、シミ、
湿疹アレルギー
口内炎、ゼンソク
咳止、風邪、解熱
リンパ線炎、去痰
慢性鼻炎老化防止
ねん挫、産後の回復
歯槽膿漏

殺菌作用
ピロリ菌除去

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