●2002年01月05日(土)/屠蘇三昧
大好物の屠蘇に舌鼓を打ちながら、ぽりぽりと数の子を噛む顎にも疲れが出て、正月気分もこの辺で打ち切りにしようということになった。元旦以来ののどかな陽射しだが、風はまだ冷たい。読書に耽るか、それとも正月にふと思い付いた“屠蘇の研究”などしてみるか、あるいは正月の疲れを癒す昼寝をむさぼるか?2002年の怒濤のスケジュールに入る前の数日の休暇、さてさてどうやって楽しもう……?
それにしても忙しく楽しい正月だった。里帰りしてきた弟夫婦、大人もどきになりつつまだまだ愛らしさの残る姪っ子、いつの間にやら家族同然になってきたご近所、もちろんファーブル軍団を交えての和気あいあいとした新年の宴は1月=睦月の名にふさわしい、睦まじく笑顔の絶えない年明けだった。そして宴は翌日昼に持ち越し、夜へと続き、さらには遠路はるばるの友を迎え………
宴の後の客がいなくなった家の中はひっそりと、酔いつぶれて眠っているかのように静かだ。。
●2002年01月07日(月)/本日の収穫は木の実と巨大イカの刺身
暖かな陽射しに誘われて、昨日はハウステンボスへ。いつものようにビールランチを楽しみ、酔い覚ましの散歩をする。私のお散歩コース(パレスに通じる並木道)にはこの時期、種の落ちたカエデの実、様々な形のドングリ、と宝物がたくさん落ちている。きれいなものを選んでは用意していった袋に詰め込みながら、リースのデザインなど想像しながら、のんびりと散歩を楽しむ。
木漏れ陽のベンチでは小鳥たちの姿や空を渡る雲を目で追い、鳥の鳴き声に耳を傾けながら、木々のさやぎや潮風の匂いを楽しむ。帰り道、ディスプレイしてあるかわいい木の実をちょいと失敬したのは、まだほろ酔いが残っていたせいだろうか。。>ごめんなさい。
家に帰りつくと、ビッグ・ニュースが待っていた。ナント、巨大イカが針槐の海に漂着したと言うのだ。大人が腕を広げたほどの大きさがあり、重さはなんと10kg。駆けつけた水族館の職員の話によると、巨大イカの正体は“ソデイカ”とやらで、以前に8kgくらいのものが捕獲されたそうだが、この辺りの内海でみつかるのはとても珍しいとのこと。そんな巨大なものを引きずって我が家にまで見せにきてくれたというのに、不在が悔やまれてならなかった。
「産卵で弱ってるから、持ち帰ってもうちらで食うことになるでしょう」という職員の言葉を聞いたご近所のダンナ衆、すかさず自分らで『解体』にチャレンジしたらしい。こうして巨大イカは25cm×20cmの、皮を剥くのではなく表皮を切り落とした後もその厚みは4cmという、瓦のような姿で近所中に配られた。我が家では、さらに固い部分を切り落として刺身にし、みなで掌を合わせた後にいただいたが、大味だったので塩胡椒してちょっとあぶって食べた。まだ、当分は食べ尽くせそうにない量が残っている。
この巨大イカはわれらが胃袋だけにではなく、しっかりとカメラにもおさめられてもいる。写真の焼きあがりを心待ちにしながら、今日は正月に撮った“針槐の海”を更新した。静かな海の写真を見るにつけ、海はやっぱり不思議を隠している……と、いまだに昨日の不在を悔やんでいる。。。
● 2002年01月12日(土)/巨大イカ続報
「大人が腕を広げた大きさ」……興奮すると人は大袈裟になってしまうもの。とタカをくくっていたが、実際に漂着した巨大イカの写真を見て本当にビックリ!物差を引っぱり出して、サイズを確認して、想像して、あらためてビックリ!つくづく、見逃してしまったことが悔やまれる。
今日は春のようなお天気だったにもかかわらず、部屋の中で巨大イカの写真とにらめっこしながらページ作り。なんにでもすぐに興味を持ってしまうのは良い癖なのか、悪い癖なのか、一日ネット検索で巨大イカを眺めて過ごした。
巨大イカ事件の詳細はご近所瓦版でどうぞ
●2002年02月02日(土)/怒濤の試練!!!
露地のミツバの鮮緑の若葉を摘み、昨日はスープに浮かべて楽しんだ。庭先ではクロッカスもそろそろ顔を見せてくれる頃、確かな春の気配を近くに感じるようになった。針槐の海は春霞の中で眠るように静かだ。そして、その静かな海に、今日もRITZの悲痛な叫び声が響き渡る。「賑やかな年になりそうだ」と、期待を胸に始まった2002年なのに、早くも怒濤の試練がRITZに襲いかかる。
28日の試練:車のドアで指を挟む
酒屋で買い物をしていたGONZOに「バーボンも買って!」と言いたかっただけで、決して慌てるほどのことでもなかったのに。。痛っ痛っ痛っと小躍りしながら、自分のドジさ加減に笑いが止まらない。数分後、指の腹は真っ黒に。人指し指の爪の根元が濃紫に(*_+)p☆ 腕が満遍なく痛む。またまた庭仕事は当分お預けという悲しい事態になってしまった。。
この後、人指し指で天を指差しながらの生活がはじまる。GONZOにものを頼む度、ヤツは天を見上げる(クヤシイ!)。一昨年の左手麻痺の経験からキーボードはなんとかこなせるが、指先というものはいつもこんなにあちこちぶつかっているのかと驚くほど、家事の合間にあっちに当ってギャー、こっちに当ってギエーーーと吠える。。。だがしかし、身から出た錆。指だけで済んだのはラッキーだったかもしれない。
29日の試練:すっこける
たまに雄叫びをあげながら、なんとか車を運転し買い物を済ます。そして、右手にいっぱいの荷物をぶら下げて台所へ。我が家の台所はコンクリートの土間になっていて、もちろん土足。これはなんでもひっくり返すドジへの対策のひとつである。「洗って磨ける」ところが利点の筈だった。
なのに……20cmの段差を降りてスリッパに片足を乗せたその時……つるつるつるりん。大股開きの後、腰に擦り傷、尾てい骨と右肩強打、左足中指に血豆。傷めた紫色の指で思いっきり身体を支えたのは言うまでもなく、ひとしきりの絶叫の後のたうちまわる。。。
「あいや〜、言えばよかった。つるんつるん滑るけん、わたしゃ裸足でしよるとよ」と菊の字。おいおい、外は雪なんだぞーーー!!!
そんな菊の字に当る訳にもいかず、痛みに耐えながらもスリッパを買い物リストに追加しなければと考えていた。いやいや、こけたのが菊の字でなくて良かった、菊の字が風邪をひかなくて良かったと思うことにしよう。
30日恐怖の試練:ストーブ噴火&足負傷
動けばなにかしでかしそうで、三度めが起こりそうで、一日はひたすらベッドで読書。「ねぇねぇ、私なにか悪いことでもしたのかなぁ?まさか、巨大イカ食ったから?」とGONZOに問えば、「下らないこと考える前に、前をちゃんと見て歩きなさい」とやり返された。しかし、この時はまだ、災難はこれで終わりと信じていられた。
そして深夜。ほとんど一日ネットに触れていないネット中毒RITZはそろそろ禁断症状を呈し、深夜のBBS徘徊を目論んで寝室のストーブを灯し、部屋が温まる間にテレビを楽しんでいた。10分後、いそいそと寝室のドアをあけると……すわっ、火事か!!!部屋中に真っ黒な煙が充満しているのであった。。。
灯油ストーブはきちんと手入れすべし!古くなったストーブはケチらず買い替えるべし!来年には買い替えようと思っていたストーブが煤を吹き上げていたのだ。二度あることは、確かに三度あったのだ。が、しかし、これで終わったのだ……。煙がおさまるまで客間で寝ようと、様々なお休みセットを運び上げている途中、RITZの手からこぼれた分厚いガラスの灰皿が今度は足を直撃。客間の畳を汚したくなくて、いつもは使わない大きな灰皿を使おうとしたのは、他でもないこの私。そうだ、そうだ、火事にならなかっただけ幸運だったのだ……と傷だらけの身体を抱いて、泣き寝入り。
31日:世にも悲惨な寝室
朝、恐怖の扉を開けてみると……そこは見知らぬ誰かの部屋のようであった。。。おんぼろストーブが吹き上げた煤は煙となって寝室中の隅から隅まで、戸が少し開いていたウォークイン・クロゼットの中まで、すき間のある書類ケースの中まで、悲しいかな、蓋を開けておいたピアノの中まで降り積もっているのだった。取り替えたばかりの真っ白な和紙のブラインドはグレーになり、本もマックも、写真立てもベッドもうっすらと煤に覆われていた。
ひとつだけ興味深かったのは、天井のあちこちの、かつて気づかないほど透明なクモの巣にも軽い煤が降り積もり、真っ白な壁にクモの巣のレリーフが浮き上がってとてもきれいに見えたこと。「俺たち、こんなクモの巣の中で寝てたんだ」とGONZO。「でも、きれいだね」とRITZ。「あぁ、きれいだ」と、妙なところで妙なものに感動するメゲナイ夫婦ここにあり。
GONZOが勿体無いなどとつぶやきながらクモの巣を払うと、真白な壁はなんとか無事。マックもメゲずに起動したのだから、ラッキーだと考えようと意見一致。。GONZOといつになく好奇心むき出しのグッチ婆さんを非難させ、島原での灰との戦いに比べればマシだと独りごちながら、時たま傷めた指をぶつけて叫び声を上げながら、まずは床掃除。それからマックを磨き上げ、仕事机回りの煤を払っただけで一日が終わった。全身薄汚れて、夜には鼻が痛んだ。
2月1日/掃除と宝くじ
私が動けばなにかが起きる……そんな不安と戦いながらも、動かない訳にはいかないこのつらさ。などと言いながら、休憩時間にはちゃっかりバーチャル農場で種まきなどしているこのお気楽さは誰に似たのだろう?途中、出かけたついでに運試し。宝くじも買ってみた。
山盛りの本を1冊づつ拭いて、ついでに本の整理もして、引き出しの中を整理しながら拭き上げて、あっという間に一日が終わった。寝室で眠れるようになるのはいつの日やら……。
2月2日:休日返上で掃除は続く
なんて言いながら、こうして日記など書いている。今日はあったか、風が吹いても痛んだ指はひどくぶつけなければ使えるようになった。全身の痛みも和らいだ。足は……できるだけ負担をかけないように使えばいい。マスクとサングラスの準備も完了。今日はブラインドにハンディー掃除機をかけてみよう。はたして、どこまで汚れが落ちるのか???
● 2002年02月03日(日)/ドンマイ!ドンマイ!
白いブラインドに模様のような大小の黒い点々。ハンディー掃除機で吸い取れば、なんとか汚れも残らないのだが、終わって見てみるとやはり染まったのかグレーに近い。……あまり見ないことにしよう。。昨日はブラインド2枚(掃除機充電切れのためやむなく終了)と、ピアノの外部、さらに本棚を掃除。今日は終了!と、コーヒー片手に机に座ると、キーボードやマックの上に黒い点々。やはり、掃除の最中に煤が飛ぶようだ。当分は追っかけっ子で掃除しないといけないのかもしれない。マスクを着けていたのに、夜にはやはり鼻が痛んだ。他は順調に回復中。
早めに県知事選に出かけた後、ドンマイ!ドンマイ!とお昼はパスタとワインで鋭気を養う。今日はどこまでやれるのか?早く寝室で寝るようにしないと、夜中グッチ婆さんが私らを探して鳴き叫ぶのである。グッチ婆さん、頑張るから待ってろよ。おやおや、昼間は爆睡中ですか……。
● 2002年02月04日(月)/踊るオバサン、染まるオジサン
ブラインド掃除終了、ベッドを動かして床掃除も完了。今日はやっさほいさと布団やソファーカバーを山盛り抱えてコインランドリーへ。洗濯が終わるまで、車の中で読書に没頭。
乾燥もすんで毛布をたたんでいると指がどこかに当ってビビビッと痛みが走った。無人のコインランドリー、人目を憚る必要もなしと痛む指をかざしてウッ、オッ、ウッ、オッと飛び跳ねていると、ふと目に飛び込んだのはランドリーの入口で真っ赤に染めた顔を洗濯物袋で隠そうとしているオジサンの姿。「はは、指怪我してて……」「ゴホン、そりゃお大事に」と、生真面目そうなオジサンはさらに耳まで染まっていった。かなりの笑い抑止力。。。帰りの車中、恥に慣れてはいけないと自分に言い聞かせながらも独りゲラゲラと、こちらは笑いを抑止できなかった。
● 2002年02月10日(日)/舌鼓♪
今日は近くの酒蔵元で蔵開きがあった。毎年気にはなっていたのだが、なんせ田舎暮し。どこへ行くのも車……運転手たる者、当然、アルコールの類いはいっさい口にできないし、しない!アルコールに関しては平等を心掛ける我が家では、一人だけ「しぼりたて生酒」に舌鼓テンテケテン♪なんてのは許されないことなのだ。よって、出かけないことにしている。が、今日はご近所からお誘いがあって、しかも運転手付きですと……もち、一も二もなく出かけることにした。
酒のウンチクを語らせるとほろほろと何時間でも場を持たせる才能持ちのRITZだが、こと蔵開きとなると味見以外は眼中にあらず。喋っている間など惜しいだけだ。あちらで大吟醸、こちらでたる酒、おぉ、あそこではにごり酒……と、鼻を効かせて仲間を引き連れ、お味見コーナーを渡り歩く。もちろん、醸造行程の説明には必ず参加して、ぽたぽた滴る瓶詰め前のしぼりたての味見を見逃してはならない。
そんなこんなでそれぞれお気に入りの酒を買い込み、家に帰り付くと早々に利き酒会が始まった。まだ早い午後、つまみはスルメと塩辛と、あたたかな早春の海のきらめき。
● 2002年02月19日(火)/キーボード戒厳令発令!
春めいてきた陽射しの下、落葉の木々の枝先では固い蕾がほころびはじめた。大きく育ったねむの木は誇らしげに黄に染まり、あちこちでラムズイヤーやカモミールの双葉が背伸びしている。ちいさな雑草さえも愛おしく思えるこの季節なのに……度重なるドジの代償としてRITZは庭仕事もネットライフもお休みすることにした。車のドアで挟んだ指、けつまずいてぶつけた足の指、真っ黒になっていたどちらの爪も根元から浮いてきたのだ。なんてこったい!なんにもできない!
ひどくぶつけなければ痛みはなくなったのだが、はたしてこれは幸か不幸か?つい忘れてしまうのがいけない。キーボードを叩いているとつい使ってしまうし、用事を思い出すとつい走ってしまう。いずれにしても吠えることになる。あまりにうるさいと、GONZOからついにキーボード戒厳令が発令された。身から出た錆……やむなし。。。
しばらく我慢するつもりではいるが、禁断症状が出たらどうしよう?なにをして遊ぼう?私から庭仕事とネットをとったら、一体なにが残るのだ?(主婦だろってば(^^;)
第一、できるのか???って、考えてみると今日は一日、GONZOの留守を良いことに、思いっきりキーボードを叩いていたのである。トップページでも宣言したものの、不安だ。。。
|