のむよろし酩酊日記
投稿:一睡庵亭主/長崎県東彼杵郡/自営業/54歳

七月某日◆荒南風酒(あらはえざけ)で夜更かしす
酒:焼酎オンザロック/肴:がらんつと青唐辛子/BGM: 八代亜紀「舟歌」

南風が盛夏の訪れを告げる頃です。湯上がりには天花粉作務衣蚊やり豚と、やっぱり「日本の夏」がいちばん。
がらんつとはこの地方で飛魚のこと。太めにほぐしたがらんつと青唐辛子をまぜこぜに炙ります。アツアツをひと噛みしてキリリと冷えた焼酎オンザロックをジュッと呑る。アツアツとキリリ、アツアツとキリリ。夜風に乗って酔っ払いが羽ばたきます。
*がらんつ/町内魚屋のひと塩干し
*唐辛子/わが家の菜園より摘んだもの

七月某日◆金魚酒(きんぎょざけ)旨し
酒:焼酎水割り/ 肴:ラディッシュ/ BGM: W.モンゴメリ「A day in the life 」

ガラス鉢の中を泳ぎまわる金魚が、如何にも涼しさを感じさせる時季です。切子ガラスの器を水槽に見立て、歯に凍みるくらい冷やした真っ赤なラディッシュを盛付けます。ハーブを刻み込んだ粗塩をラディッシュにちょいと付け、カリリと。
休日猛暑の昼下がり、腹の中で焼酎の海を金魚が泳ぐ・・・
*ラディッシュ/近所の農家からの差入れ
*粗塩/インターネット通販
*唐辛子/わが家の菜園より摘んだもの

八月某日◆とんかち酒(とんかちざけ)で驚く
酒:焼酎お湯割り/ 肴:氷下魚/ BGM:シンセサイザー版「禿山の一夜」

カミナリ様を連れて突然やってくる夕立。遠くの雷鳴を聞きながら買置きしていた干し魚を取出します。名前は氷下魚と書いて「こまい」と呼ぶ。タラ目の海魚で季語は冬ですが字面が涼しげです。全体に日本酒をぬって遠火で炙り、まな板上に腹を下・背を上に配置。やおら「とんかち」を取出し、魚身をほぐすようにトントンゴロゴロトントンゴロゴロ・・・
酒はくせの無い蕎麦か麦の焼酎。ハーブの葉っぱを手のひらでパン!とやって焼酎に放り込みます。これで準備OK。電気を消し、カーテンを全開した窓の前にあぐらをかいて、空から海に奔る稲妻に目を凝らしながら手探りでお湯割りを呑む。
ホラ来た!もう一杯!!
*氷下魚/郊外スーパーのふるさと特産市で発見
*ローズマリー/わが家の庭より

八月某日◆晩蝉酒(ひぐらしさけ)で涼む
酒:焼酎オンザロック/ 肴:スティックサラダ/ BGM:E.サティ「ジムノペディ」

夕暮れ時。ひぐらしの哀調をおびた鳴き声が、まだまだ暑い最中に涼しさを運んできます。今夕の主役は採れたて野菜のオールスターキャスト。大根、きゅうり、セロリ、ピーマン、アスパラガス等々。何れもタテに断ち割り棒状にして、氷水にザックと差す。次に様々なかたちのぐい飲みに、それぞれ粗塩、辛子マヨネーズ、数種のハーブソルト、いりこの唐辛子炒め等を用意。
冷蔵庫の野菜室で冷やしていた720mlを片手に庭に出る。冷えたセロリをスプーン代わりにいりこをすくい、シャリシャリと歯ごたえを楽しむ。曲がったきゅうりにハーブをまぶし香りを楽しむ。前は海、雑木林に蝉が鳴く。
田舎は良きかな、酒は良きかな、かなかなかなかな・・・
*野菜/わが家の庭と近所の農家からの差入れ
*ぐい飲み/地元で知り合った陶芸家からのプレゼント

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