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我輩はグッチである


哲学猫“ゴエモン”

 

凛々しかったゴエモンさん

グッチの独り言

ゴエモンさん、はじめは意地悪だった。よちよち歩きの私を手でコロンと転がしたり、高いところから私の上にドスンと飛び降りて私をぺしゃんこにしたり……。
でも、優しいとこもたくさんあった。夜、ゴエモンさんはいつもRITZの腕枕で、私はRITZの首にお腹を乗せて寝るのが好きだった。夜中に時々、RITZがうなされて私が放り出されて鳴いていると、優しく舐めてくれた。
一緒に遊ぶのも楽しかった。一番面白かったのは、丸いぐるぐる巻の紙を使った追いかけっこ。ゴエモンさんが上手くぐるぐる巻に爪を引っかけて、高く遠く飛ばしたのを私が追っかける。箱に入った紙を引っ張り出すのも得意だった。いつも部屋中を紙だらけにして、RITZに叱られた。RITZがゴミ箱に入れる紙屑を競争して取り出す遊びも面白かった。

RITZの独り言

ゴエモンは生後二ヶ月くらいで我が家にやってきた。名前はアニメ「ルパン三世」のゴエモンから。小さな頃からもの静かな猫だったが、グッチが来てからはあまり遊ばなくなってしまった。やんちゃグッチにどうしても眼が行ってしまうので、ゴエモンは淋しかったのかもしれない。
大人になってからはますます悠然とした雰囲気を身に付けて、私の仲間たちからも「ゴエさん」とさん付けで呼ばれた。無分別を極めるグッチの行動、窓の外の景色、ビルの谷間を飛び交う鳥たちを眺める姿には“哲学猫”然とした風格さえあった。
時に両手を後ろにつき、足と尻尾を前に投げ出して、いわゆる足投げ出し状態でテレビに見入るという情けない一面もあったが、他人様の前では決して見せい一面でもあった。あの姿をカメラに収められなかったことが、今さらながらに惜しい。。。




やがて、小さな子猫たちが生まれることになる。


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