HOME > 老猫とすずめの話 > 老猫グッチのモノローグ > 我が輩はグッチである3

我輩はグッチである


グッチとゴエモン

 

命名“GUCCI”

グッチの独り言

はじめは怖くて、あっちこっち隅っこをさがして隠れたけど、ここには隠れる場所が少なくて、すぐに真っ黒な大きな猫につかまってしまう。大きな猫はず〜っと私に付いて回って、匂いを嗅いだり転がしたりする。でも、大きな猫も怖い大きな生き物も、だんだん怖くなくなった。
大きな猫は“ゴエモン”と呼ばれると返事をする。するとご飯がもらえる。私も真似をして“グッチ”と聞こえた時に鳴くと、美味しいものをもらえた。
それに、大きな生き物の手は大好き。暖かくて、いつも気持ちがいいところを掻いてくれる。時々、噛み付いて叱られるけど、顔を見て鳴くと、すぐに美味しいものをくれる。それに、いっぱい遊んでくれる。

RITZの独り言

野良の子猫はすっかり元気になり、部屋中を隠れてまわるようになった。ガツガツとよく食べ、だんだん私を怖がらなくなってきた。
もぅ大丈夫と里親をずいぶんと探したが、なにせ野良。しかもなかなかなつかない性格。その上、食べさせても食べさせても痩せっぽち……。
半歳になるゴエモンもいるし、二匹は無理だと思ったけれど、結局育てることになった。ゴエモンも喜んでいるようだし、仕方ないか……と、半分嬉しくもある。
でも、ゴエモンと並ぶとあまりに貧相に見えてかわいそうなくらい。せめて名前だけでもと“GUCCI”と命名。本当は“シナモン”とでもしたかったのだが……。

戻る次へ

老猫グッチのモノローグ TOP